琥珀色の戯言

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【読書感想】俺か、俺以外か。 ローランドという生き方 ☆☆☆

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方


Kindle版もあります。

内容紹介
発する言葉のすべてが「名言」となるホスト界の帝王・ローランド初の自著!

話題の「名言」から浮き彫りになるローランドの素顔を本書で初公開。
至高のプロ意識、唯一無二の存在である理由を、
哲学・美・愛・仕事・人生の多面的な切り口で語る。
ローランドのストイックなまでの生き方と、そのウイットに富んだ名言は、
ファンのみならず、年齢や職業を問わず、
幅広い方たちの胸に熱く響き、明日への活力になる。
ローランドのファンブックとしてはもちろん、
ビジネス・自己啓発書としても、是非お読みいただきたい一冊。
本書が、読まれる方の人生を変えるかもしれない。
「世の中には二種類の本しかない。ローランドの本か、それ以外か」


 書店で平積みになっているのをよく見かけていたのですが、僕には縁遠い本だよなあ、と、ずっと思っていたのです。
 今回は、Kindle Unlimitedに入っていたので、読んでみようかな、と。
 時の人が出した、ファン向けの本みたいだし、あんまり期待はしていなかったんですよ。

 でも、読んでみると、ローランドさんの「面白さ」と「自分のキャラクター設定や自己アピール、言葉へのこだわり」に、けっこうひきつけられてしまっていたのです。

 僕にとっては、真似しようとか、参考になる、というのではないのだけれど、「マンガのキャラクターが実在していて、喋っている!」って感じなんですよ。

 この本を手に取ってくださった方は、どんな方だろうか。
 世界に10億人ほどしかいないと言われる、俺の数少ないファンの方だろうか。
 いや、中には「ホストが生意気に本だなんて!」と眉を顰(ひそ)めつつも、お手並み拝見……と手に取ってやった、なんて方もいるかもしれない。

 いずれにせよ、自己紹介をしておく。
 名前はローランド。
 現在歌舞伎町のホストクラブのオーナー業を中心に、実業家として活動している。
 サッカー選手を目指して青春のすべてを捧げたが叶わず、なんとなーく進学した大学を、入学早々に辞める。
 そして、少年時代にテレビで見てからなぜか忘れることができず、ずっと頭の片隅にあったホストという世界に入った。
 どうせやるからには、帝王と呼ばれる伝説のホストになると心に誓って。


 プロサッカー選手をめざして帝京高校に入学し、死に物狂いで練習していたものの、夢破れ、大学に進学してすぐに「これは自分の人生じゃない」と感じて退学し、ホストの道に進んだこと。
 ものすごく几帳面で整理整頓好きの性格であること。
 自分を安売りしないこと。
 
 どんな世界でも、トップに立ち、カリスマと呼ばれるような人は意識が高いのだな、と驚くばかりです。

「俺はローランドだからね。
 コンビニには手を染めないよ」

(「コンビニには行くか? と聞かれた際のローランド氏の答え。)


 意外とよく聞かれるのが、「コンビニには行くか?」という質問だ。
 きっと生活感の象徴が、コンビニなのだろう。
 だから、直訳すると「ローランドさん! 貴方は生活感がある人間ですか?」という意味だと思って聞いている。

 答えは「ノー」だ。
 自分の言葉や立ち居振る舞いから極力、「生活感というものを削ぎ落とす」ということを意図的にやっている。

 ホストとは、夢を魅せる仕事だ。
 そんな立場の人間に生活感があったら、夢なんて魅せられるわけがない。
 その感覚は、ディズニーランドと同じである。

 
 ローランドさんは、とにかく、自分のイメージを壊さないことを徹底しているのです。
 食事中の姿は生活感、人間っぽさの象徴なので、密着取材では、ものを食べているシーンを意識的にカットしたのだとか。
 どうしても食べているシーンを撮りたいと言われた場合は、極端に高級感のある店か海外のみ、というルールを設けているそうです。

 ホストの世界で、トップになってしまえば、こういうスタイルがセールスポイントになるのはわかるのですが、駆け出しの時代は、けっこう大変だったのではないか、という気もするんですよ。
 しかしながら、この本のなかでは、そういう「苦労自慢」みたいな話もほとんど出てきません。
 ところどころに、妹さんに対してはものすごく甘いのだけど、つれなくされるお兄ちゃん、という話もあって、ちゃんと緩急もつけられているんですけどね。

「世の中には二種類の男しかいない。
 俺か、俺以外か」


 俺は幼少期から、自分は特別な人間だと感じていたり、どこにも属さないし属したくないと心から願う、そんな子どもだった。
 もはや、クラスに分けられることすらも抵抗を感じていたことを覚えている。
 だから、このセリフは幼少期の頃から頻繁に使っていた。
 この学校には二種類の生徒しかいない、俺か俺以外か。と(笑)。
「〇〇系」やら「〇〇タイプ」なんて、カテゴライズされて生きていくなんて、絶対に嫌だった。

 そして、大人になって気づいたことがある。
 歴史的ななにかを成し遂げるためには、ある程度エゴイスティックになる必要があるし、自分は特別であると信じる必要があると。
 そもそも特別な存在で居続けるために、当然ながら、努力も、発想の独創性も、勇気も必要だ。
「俺以外」として生きるほうが何倍も楽だろう。
 周りと同じでいい。カテゴライズされた中の一人でいいという感覚は、ぬるま湯のようで楽なのかもしれない。
 でも俺は、どんなに楽で居心地が良かろうと、「俺以外」として人生を歩んでいくのは嫌なんだ。


「私以外私じゃないの」って歌詞があったなあ、そうそう、ゲスの極み乙女。ボーカル担当者の不倫騒動で有名になってしまうと同時に、音楽活動もやりにくくなってしまった感もありますが、「同調圧力」が強い世の中では、こんな当たり前の言葉
が、すごく印象に残るのです。
 ローランドさんは、エゴイスティックであるのと同時に、使ってもらった金額以上に満足してもらうことを常に意識しているし、トレーニングも欠かさない。
 
 僕自身は、こんな生き方ができるとは思えないけれども、こういう生き方がある、ということに勇気づけられる人は、多いのではなかろうか。

 「ただしイケメンに限る」だよなあ……と、ため息のひとつもつきたくはなるけれど。


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