琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

スターウォーズ・エピソード3〜シスの復讐

http://www.foxjapan.com/movies/episode3/

今日観てきました。面白かった(正直、楽しくはなかったんだけど)。
個人的メモも含めて、完全ネタバレ感想を以下に。
映画としての評価とかそういうのではなくて、純粋に「感想」です。


最初の戦闘シーンからとにかく派手で息もつかせぬ展開、という感じ。ただ、どうみてもパルパティーン悪そうじゃん。とか思ったのだけれども。
ただ、その一方で、ジェダイ役に立たねえ、と思った場面も。最初のほうにアナキンがパドメの死の予兆に悩むシーンがあって、パドメ本人には「オビ=ワンに相談してみたら?」と言われたアナキンなのだが、結局、相談相手に選んだのはヨーダ。まあ、アナキンだって、愛憎入り乱れて、弱味をみせたくないオビ=ワンよりも、マスター・ヨーダを選んだみたのだが、実際にヨーダのアナキンの切実な悩みに対する解答は「心を鍛えて、いかなる出来事にも、動じないようにするのじゃ」とかなんとか。
正直これには、「はあ?」って思いましたよ僕は。いや確かにジェダイというのは、そういう形而上学的なところに価値を置く組織なのだろうけど、それって要するに「パドメが死んでも動揺しないように心を平静に保つトレーニングをしろよ」とか言うことじゃないか。そんな答え、誰も求めてないっつーの。金貸して!って頼みに行ったら、「金なんかにこだわる生き方はばからしい」とか説教されるようなものだよなあそれってさ。

でもまあ、いくら愛するパドメのためとはいえ、あんなにパーフェクトに怪しいパルパティーンを信じるっていうのもどうかと思うし、あの「仲間殺し」とか、「神殿のパダ=ワン(子供)」皆殺し、なんていうのは、もうアナキン死んでも許せん、という殺伐とした気分になってしまいましたよ僕は。この映画でアナキンが死ぬことはないとわかっていながら、かなり切実にアナキン粛清を願っていましたし、オビ=ワンとの対決で両足と左手を落とされ、全身大火傷になったときには、小さくガッツポーズをして、「こら、ちゃんとトドメさせ、オビ=ワン!そんなヤツに情けをかけるな!」とか思ってましたからねえ。いやもう、いっそのこと、パドメとその子供たちもジェダイの仇として虐殺すればいいのに、とか。あの火傷は助からんだろ普通。子供たちを大事にかくまおうというのが納得できないし、それこそ、宇宙空間にでも放り出せばいいのに、そのくらい当然だろ?とか一緒に行った人に憤っていたら、「あんたこそ、もう暗黒面に堕ちてるよ」とか言われてしまいました。確かにそうだよね。でもムカつくんだものあのバカアナキン。「彼は良い心を持っています」というパドメにも、腹が立って仕方が無かった。「良い心を持っている」=「善人」なのではなくて、「良い行動をとっている」=「善人」であり、あんな残虐行為ばっかりやってるやつは、結果的に悪人に決まっているじゃないか。心のうちなんて、関係ねえよ。
ダース・シディアスも、クリストファー・リーはあっさり切り捨てたくせに、自分を超える力を持っている可能性があるベイダーをわざわざ助けてやったのは不可解。あれって、銀河皇帝的には、ベイダーもいなくなってくれたほうが、さらに安泰だったのではないか。

あと、あれだけ仲間が虐殺されまくったにもかかわらず、ダース・シディアスと闘ってかなわないと悟った瞬間、「とりあえず身を隠そう」という、ヨーダの切り替えの早さはちょっとウケました。だってさ、普通だったら、あのシチュエーションであれば、「自分は死んでも一矢でも報いる!」という感じにならないのかなあ。ましていわんや、歴史的大犯罪者の子供たちをかくまうなよ…僕が民衆だったら、絶対ルークとレイアの処刑を望むと思うし、EP4〜6で活躍したとしても、「あのベイダーの子供」が英雄面しているのなんて、絶対に許せないだろう。「物事にこだわらないのがジェダイ」とかいうけどねえ、人が良すぎるんじゃないのかい。というか、あんなに後ろから撃たれちゃかわいそうではあるけど、あまりに無防備すぎないか……

とか、こんなに感情移入しまくりな文句を書きたくなるほど、「シスの復讐」は面白かったのですよ実際。なんというか、こんなに後味が悪い映画も少ないと思うし、そういう人は少数派だろうけど、EP4よりこちらを先に観たら、「なんて感じ悪い映画なんだ…」と悶絶すること請け合いです。僕はあんまりにもいたたまれない気分になったので、帰ったらEP4〜6を観直さないと、気が済まない!と思いましたから。

でもね、本編を観終えてスタッフロールとともにいつものテーマ曲が流れてきたら、なんだかもう「これで終りなんだなあ…」とものすごく寂しくなってきてしまって、最期のほうはテーマ曲を結構大きな声で一緒に口ずさみながらウルウルしてしまいました。映画館で歌ったのは、この年まで生きていて初めてだよ。

なんだかもう、「祭りのあと」という脱力感にさいなまれております。

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