琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

「ブックマークされないエントリ」の重要性

僕はけっこうアクセス解析を見るのが好きなのですけど、先日、「まなめはうす」(http://homepage1.nifty.com/maname/)さんに
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060807#p1
↑の「週末のフール」(伊坂幸太郎著)の感想を「関連」としてリンクしていただいたので、久々に自分でも読み返してみました。それで、自分で言うのもなんですが、「ああ、僕ってけっこう一冊の本でいろんなことを考えているなあ」「けっこう良いこと書いてるなあ」と感心してしまったのです。本当にお恥ずかしい話なんですが。いや、他人にとっては、「なんじゃこりゃ?」というような的外れな感想なのかもしれないんだけど。

この「琥珀色の戯言」を読んでくれている人というのは普段は1000人弱くらいで、大きなブログ・サイトにリンクしていただいたときで、その2〜3倍なのだけれども、そのくらいの規模でも本や映画の感想をYahoo!Googleで検索して来られる方がけっこう多くて、なんだかちょっと申し訳ないような気持ちになることがあります。僕が書いているのは本格的な「評論」ではなくて、あくまでも「感想」だし、世間にはもっとレベルの高い本や映画の紹介をしている人がたくさんいるにもかかわらず、「ネット論」とかでかなりの割合のアクセスを稼いでいるウチのブログが、こうして検索上位にのさばってしまうのだから。逆に「純粋に感想や評論を書いているサイト」というのは、うまく「反応」を得るのが難しいのだろうなあ、と想像してしまいます。現にウチでも、「本の感想が大量にブックマークされて、大きな話題に!」なんてことは一度もありません。ときどき1人、2人くらいブックマークしてくださる方がいるくらいです。でも、そんなふうに「感想」を読んで気に留めてくれる人がいるというのは、本当にありがたいし、やりがいを感じることでもあります。

今回「まなめはうす」さんに紹介していただいたことをきっかけに「自分が以前考えていたこと」を読み直してみて、書いている僕自身にとって貴重な記録なのは、どんどん消耗されていくだけの「ネット論」よりも、こういう「自分が読んだ本や観た映画の感想」のほうなのではないか、と思いました。もちろん、これは僕個人にとっての「価値」でしかないのですが、どうせ、他の人にとってどのくらいの「価値」があるかなんて、僕には判断のしようがないのだし、ほとんどのネット上の「記事」というのは、1年もすれば忘れられてしまうのだから。だってあなたも、最近は『侍魂』を見にいったりしないでしょう?

「他人に読まれること」に対して「色気」を持っている人は、ついつい「はてなブックマークされやすいようなエントリ」ばかりに力を入れてしまいがちのように見えるし、僕自身にもその傾向はあります。
でも、あらためて思うに、書いている本人にとっては「多くの人にブックマークされ、あれこれ言われて消費されていくだけの『ブックマーク狙い』のエントリ」よりも、「誰もブックマークしてくれないような、個人的な内容を書き留めたエントリ」のほうが重要なのではないでしょうか。そして、「消費されていくエントリ」の価値は時間によって減衰していくだけなのに比べて、「個人的な内容のエントリ」の価値は、5年、10年と時間が経てば経つほど、よりいっそう高まっていくのです。もっとも、こういう形式でのWEBがあと何年続いていくかなんて、誰にもわからないとは思うのですが。

僕がいつも意識していることは「あまり多くの人が読んでくれないであろうエントリこそ、一生懸命丁寧に書こう」ということです。僕が好きなブログ・サイトの人たちも、そういう人が多いですし。「話題になりそうなエントリ」にばかり力が入っていたり、いかにも「ブックマーク狙い」のようなエントリを濫発しているようなのは、僕好みではないのです。

偉そうなことばかり書いてしまったのですが、自分にとっての最大にして最後のブックマーカーって、結局、自分自身なんですよね。
僕は、他人にブックマークしてください、と媚を売り続けるようなエントリよりも、たとえ「ブックマーカー」がひとりだけでも、自分自身がブックマークしておきたい内容をずっと書き続けていきたいのです。

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