http://www.poplarbeech.com/danwa/danwa_061006.html
角田光代さんと三浦しをんさんの「書評」についての対談。
お2人とも当代きっての人気作家であり、本好きとしても知られています。
角田:書評って、短ければ短いほど、すごく大きな言葉を使ってしまいそうになるんですね、「人類に対する贈り物である」「この本を読まずにいることは不幸である」とか(笑)。大きな言葉を使うと、短い書評でも書いた気になっちゃうことがあるので、できるだけ使わないように、最近、心がけています。
三浦:私は、「すぐれた恋愛小説である」「すぐれた青春小説である」などと締めくくるのはやめようと思っています。こういう書き方は、どういう話かストレートに伝わりやすくなって良いけれど、でも、それって帯に書いてあるしなーみたいな(笑)。とはいえ、決めの言葉はあった方がいいし、難しいですね。
僕が書いているのは「感想」レベルなんですけど、この「大きな言葉を使いたくなる」気持ちって、なんだかすごくよくわかるなあ。大きな言葉を使っていると、なんとなく自分が「権威」であるような気がしますしね。
でも、書評って、結局は「誰が書いているか」が一番大事なのかもしれません。
http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20060724
↑で取り上げた「王様のブランチ」の本のコーナーに出演されている松田哲夫さんによると、
松田:ただ、経験的に言うと届く言葉もいくつかあって。「泣いた」とか「涙が出た」って言うと、なんとなく残るものらしくて。
進藤:みんな、泣きたいんですね。
松田:それと「今年のベスト1に決めた」とか。今年はもう使っちゃったんですけど(笑)。これは結構、切り札なんです。
なのだそうですが。
実際は、「その本を売るための書評」と「読んで面白い書評」というのは、少し乖離しているところもありそうですね。