- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 単行本
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内容(「BOOK」データベースより)
ある日、道ばたに落ちていた彼。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?咬みません。躾のできたよい子です」「―あらやだ。けっこういい男」楽しくて美味しい道草が、やがて二人の恋になる―。書き下ろし番外編に加え、イツキ特製“道草料理レシピ”も掲載。
「ひとり本屋大賞」4冊目。
有川浩さんの本だし、まあ、読みやすいんじゃないかな、などと思っていたのですが……
甘い、甘い、とにかく甘い!!
女子向きの小説だとは聞いていたのですが、なんというか、生クリームたっぷりのケーキに蜂蜜とジャムを塗りたくり、砂糖をかけてシロップを垂らしたような、ひたすら甘い恋愛小説!
おまけに、身近な自然や植物の再発見と「誰かがつくってくれるおいしいご飯」というスローライフ満載のテーマに、正直僕は辟易してしまいました。こういうの苦手なんだよなあ。
やたらと植物に詳しくて料理上手で優しくて、オクテに見せかけていざとなったら強引……
そんな男、いねえよ!!
タンポポの葉の炒め物なんてどうでもいいから、焼肉とかラーメン食いたいなあ……とか思いながら、なんとか最後まで読んだのですが、うーん、どう考えても「男子禁制小説」ではなかろうかこの作品。
結局、クライマックスの展開も、「この男が身勝手なだけだろ!なんでそんなことする必要があるんだ、それに気付かないなんて、バカかこの女!!」としか思えなくて。
……でもまあ、これって、ある意味、男性誌のエロ漫画に、「そんなに都合良く、すぐ股を開くオンナがどこにいるんだ!そんなの男の妄想!」と憤る女子の裏返しみたいなもので、「ある日突然、カッコよくで家事万能の『草食系男子』が家に住みついたら……」っていうような「フィクション」が存在することに文句を言ってもしょうがないですよね。
逆に、よくぞここまで甘ったるい小説を書いたなあ、と感心すべきなのかも。
というわけで、スローライフに憧れる引っ込み思案系女子の皆様は、けっこうハマってしまう可能性もあるのではないでしょうか。
僕にとっては、「読んだ後、あまりの甘ったるさに、すぐ口直ししたくなるような小説」ではありましたけど。