あらすじ
デスノートの力で多数の凶悪犯を破滅させた夜神月と、彼を追い詰めた天才Lの伝説のバトルから10年の歳月が経過。またしても死神がデスノートを下界にまき散らしたため、世界中が混乱していた。夜神総一郎が設立したデスノート対策本部は健在で、キラ事件を熟知する三島(東出昌大)をはじめとする特別チームが事態を注視しており……。
2016年20作目の映画館での観賞。
平日の夕方からの回で、通常料金。観客は僕も含めて20人くらいでした。
これ、『デスノート』じゃないだろ……というのと、でも、ものすごくつまんないかというと、そうでもないかな、というのと。
『デスノート』の世界だから、かなり支離滅裂なこの映画も、それなりに楽しく観られるところもあるのです。
正直、あまりのツッコミどころの多さに、観ながら驚いてもいたんですけどね。
とくに冒頭の川栄李奈さんのシーンは、「これって、『デスノート』には最も不向きな使用法だろ……」と思わず笑い声をあげそうになってしまいました。
いやほんと、反面教師というか、デスノートは大量破壊兵器としては、きわめて無力だよなあ、と。
そもそも、人がノートに名前を書く速度には限界があることに気づけよ!難しい漢字とかもあるし。
1秒に一人名前を書いたとしても、不眠不休で一日あたり8万6400人しか(?)殺せないのに!
柳田理科雄先生が喜ぶぞ!……って、もうとっくの昔にネタにされてるみたいです。
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そもそも、『デスノート』の魅力は、「死をつかさどるノート」のさまざまな「ルール」をめぐっての駆け引きにあるはずなのですが、この『Light up the NEW world』では、物理的なノートの争奪戦がメインになっていて、「Lの後継者」や「キラを受け継ぐもの」に、あまり知性を感じないのです。
なんでノートが6冊もあるんだよ! そして、わざわざ6冊も出してきた意味が全然わからん!
上映時間を引き延ばしたかったからなのか? でも、そのわりにはけっこう長いんですよねこの映画(本編135分)。
ノートを3冊くらいにして、120分にまとめたほうがよかったのでは……
出オチみたいなキャラクターを増やすために、ノートの数も増やしたの?
そもそも、なんであの人がノート持ってるの?
うーむ、わからないことだらけだ……もしかしたら、このHuluで配信されているのを先に観ておくべきだったのか?
でも、そうだとしたら、劇場用作品としては、あまりに不親切じゃない?
『デスノート』は心理戦、知恵の勝負が面白いのに!
って僕も思っていたのですが、先日テレビ放映されていた映画版の2部作をまとめたものを久々に観てみると、原作マンガに比べて「月とLの駆け引き」の部分はかなり省略されているんですよね。
そのかわり戸田恵梨香さんの拷問シーンとかが丹念に描かれており、劇場用映画としては、やっぱり「動き」がないと観客に受け入れられにくい、というふうに考えてつくられていたのだなあ、と思いました。
前作と比べると、戸田さん、かなり大人になった感じがして(というか、前作の戸田さんが僕の記憶以上に若かった)、その分、僕も年取ったなあ、と感慨深いものがありました。
月やLはもう年取らないのにねえ。
やたらとケチばっかりつけてしまいましたが、オリジナル脚本だけに「このやたらと大風呂敷を広げたわりには、けっこう狭い範囲で決着がついてしまう物語は、どこに着地するのだろう?」と、最後まで興味深く観ることはできたんですよね。
なんのかんの言っても「デスノート」の世界観というのは、すごくよくできていて、この「らしくない『デスノート』」が、どうやって話を収束させるのか、見届けたくなるのです。
ちょっとした、Lへのオマージュみたいなシーンもありますし。
やっぱり、『デスノート』って、夜神月とL、とくにLのキャラクターの魅力が大きかったと思うんですよ。
映画版で、松山ケンイチさんは「怪優」としてのキャリアを決定づけ、藤原竜也さんは「日本のクズ役の独占禁止法違反」状態です。
ちょうど観終えたあと、劇場内で『聖の青春』のポスターを見かけて、今度は三上(東出昌大さん)が羽生名人で、Lが村山聖として戦うのか、と苦笑してしまいました。
東出昌大さんの羽生善治さん、本当に似てるよなあ。
と、あんまり関係ない話になってしまいましたが、先がわからないからなんとか観られる映画なので、ネタバレは極力慎むことにします。
たぶん、『デスノート』を知っていて、かつ、『デスノート』に過剰な思い入れがない人、そして、物語の整合性みたいなものをあまり気にしない人(あるいは、破綻をネタとして受け入れられる人)にとっては、それなりに楽しめる映画ではないかと。
『インフェルノ』とかだと、「ああ、こういう映画だよね、このシリーズって」「うん」で終わってしまいがちなのですが、この『デスノート Light up the NEW world』の場合は、「何これ?」「だいたいさー、あの場面、どうしてあんな行動をとるのか、よくわかんないよね」と会話が広がっていく可能性が大きいですし。
個人的には、こういう「続編」がつくられるときに、前作のキャラクターを安っぽく使い捨てることが多いのが、とてもイヤなんですよね。
これだけは、言っておきたかった。
『デスノート』は、あれで完結したからこそ、「記憶に残る名作」になったと思うんだけどなあ。
儲かるコンテンツとして再利用しちゃうと、どの時代にも出てきそうで、収拾がつかなくなった『ターミネーター』みたいになってしまいそう、というか、もうなりつつあるよね……
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