- 作者: cis
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/12/21
- メディア: 単行本
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Kindle版もあります。
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 (角川書店単行本)
- 作者: cis
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/12/21
- メディア: Kindle版
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内容紹介
230億円稼いだカリスマ投資家が実践する「勝つ思考」。13万部突破! いま一番話題のお金の本!
「生き方がめっちゃ面白い!」
「参考になるけど真似できない、すごすぎて」などなど
平成が生んだ最強の相場師のキャラクターに大反響!!
フォロワー31万人超え(2019年3月現在)の伝説的デイトレーダー初の著書。
230億円稼いだ勝負勘の源泉や「ヘッジは無駄」「不動産投資は罰ゲーム」など
独自の投資哲学を開陳。ロジック重視の仮説思考で「一撃19億」「一撃40億」を実現してきた話、
「2ちゃんねるで結婚相手を募集」「近くにコンビニがほしくてビルを買う」など
スケールが違う話も多々。投資をやる方はもちろん、ゲームやギャンブルにも通じる勝負論で、
ビジネスパーソンにも多くの学びがある一冊。
僕は、ずっと資産形成とかに興味がなかった(というか、株とか投資とかは損するばっかりで怖いと思っていた)のですが、この年齢になって、経済というものに興味を持つようになり、少しだけ株とか投資信託を買っています。
この本の著者であるcisさんが『2ちゃんねる』の株板で活動されていた時期をリアルタイムで知っているわけではないのですが、「230億円稼いだ勝つ思考」という本のオビに心惹かれて読んでみました。
僕はcis(しす)という名前で個人トレーダーをやってきた。2000年、21歳のときに300万円で本格的に投資を始め、今の資産は230億円ある。個人トレーダーとしてはそれなりに知られているようで、今では無くなってしまったお昼の定番番組「笑っていいとも!」に呼ばれたこともある。ツイッターや、2ちゃんねるの株板、あるい金融関係のまとめサイトである「市況かぶ全力2階建」での「一人のチカラで日経平均を動かせる男」のまとめ記事などで僕のことを知っている人もいるかもしれない。
投資家というと、株を買うことを通じて企業を支援するような人を思い浮かべるかもしれない。僕はその点では投資家ではなく、その本質はどちらかといえばゲーマーであるギャンブラーだと思う。他のゲームやギャンブルもずいぶんやってきたし、株をはじめとする相場もゲーム(ギャンブル)のひとつとしてやってきた。
お金を扱う相場が特別なものとは思わない。でも本当に面白いゲームだと思っている。僕の手法は主にデイトレードで、長期投資はほぼしていない。社会的観点からの投資はせず、純粋に勝負としてやってきた。
cisさんは「相場をゲームとしてやってきた」と仰っているのですが、僕が自分で株取引をしてみた体験からは、「お金がかかっていると思うと、弱気になったり、意地になってしまったりして、期待値にもとづくフラットな判断ができなくなる」のです。
体育館で平均台を渡るのはそれこそ「目をつぶってもできる」のだけれど、同じ幅の平均台をワールド・トレード・センター(今はもう無いのですが)の2つのビルの間で渡ることは至難の業です。というか、それをやる勇気は出ないですよね、なかなか。
この本、株初心者の僕にとっては、「勝てる人は(というか、cisさんは)こんなふうに考えているのか」と感心せずにはいられないところがたくさんあるのです。
投資家や投資を始める人に「何かアドバイスください」と言われたとき、僕は「上がり続けるものは上がり、下がり続けるものは下がる」とだけ言うことが多い。
株価が上昇局面にあるとき、まだ上がり続けると考えてそこに賭けることを「順張り」、下がっているものが反転して上がると考えて賭けることを「逆張り」という。
どちらもあり得るからこそ用語になり、それぞれの手を打つ者がいるのだけれど、僕は基本は「順張り」だと話している。
株価が上がるのは買おうとする人や資本が、下がるのは売ろうとする人や資本が多いから。多いのにはなんらかの理由がある。
そのなんらかの理由について100%これだということはできない。ある人は明確な理由づけで買っているかもしれないし、別の人はそれを見て追随しているだけかもしれない。あとづけではいろいろ推察することもできるけれど、それで説明しつくせるわけでもない。
けれども今現在買われていることで上がっている、売られていることで下がっているというのは明確な事実としてそこにある。であればマーケットの潮目に沿って行動するのがいちばん勝つ可能性が高い。
僕はこれまで、どちらかというと、「これだけの実績があって経営状態も悪くない、配当もそれなりにある企業の株が、こんなに値下がりしているのだから『お買い得』だろう」というような買い方をしがちだったのです。
逆に、どんどん上がっている株は、もう割高になっていて、このあたりが天井なのではないか、と敬遠していました。
自分が買ったとたんに値下がりしはじめたら、悔しいな、とか思って。
でも、半年くらい相場をROMっていると、前者の「なぜかこんなに下がっている株」は、(僕の予想では)そろそろ上がるはずなのに、ジリジリと下がり続けることが多いことがわかってきました。
株価というのは、「人気」みたいなものが大きく影響していて、「値下がりしていること」そのものが、そのブランドへの不安感を煽り、買う人が少なくなりがちなのです。
「どんどん上がっている株」では、その逆のことが起こる。
もちろん、倒産しないかぎりは、どこかに底値や最高値があるのですが、「こんなに下がったのだから、そろそろ上がってくるだろう」という「バランス感覚」みたいなものは通用しにくい気がします。
cisさんであっても、常に勝てるわけではない。
「銘柄それぞれの勝敗を考えるなら、利益になる取引は3割くらいしかない」そうです。
うまくいかなかったときに、「また上がるんじゃないか」と、その株を塩漬けにしてしまうのではなくて、傷が浅いうちにきっちり「損切り」し、勝てる銘柄で大きく勝つ、ということで、トータルで大きな利益を生んでいるのです。
この本を読んでいると、相場というのは、これだけコンピュータによる自動取引が導入されてきても、人間の「気持ち」の要素が大きいということを思い知らされます。
cisさんの話をきいていて痛感するのは、「相場師、投資家としての才能の有無は、子どもの頃にだいたいわかる(あるいは、育成されている)のではないか、ということです。
cisさんは、駄菓子屋のくじ引きで「当たる番号の法則」を発見したり、小学生時代に友達のあいだで使える「仮想通貨的なもの」を流通させていたり、中3からパチンコをはじめて、高校時代には「パチプロの元締め」をやっていたそうです。
最近、「転職と副業のかけ算で収入を最大化する」というmotoさんの著書を読んだのですが、motoさんも子どもの頃、ゲームソフトの相場を予想して売り買いしたり、友達とポケモンのやりとりをしたりして稼いでいたそうです。
村上ファンドの村上世彰さんは、子どもの頃から、親に勧められて投資をやっていたのです。
そんなにお金を持っているなら投資の会社をつくればいいと言われることもある。
じつは一度、トレードの会社をつくって失敗したことがある。
会社をつくって、大学の友だちを5人雇った。僕が彼らに株の売買を直接教えたら、少なくとも半分くらいの人は億を稼げるようになるんじゃないかなと思って。
その頃には自分の資産が20億円を超えていて、新日鐵(5401、今は新日鐵住金)などの大きい銘柄が戦場だった。そこで自分の手足が増えたら、自分ではカバーしきれない新興のボラティリティの高い銘柄をやってくれて、どんどん儲かるんじゃないかと。
雇った条件は、月給35万円で、プラス利益の20%。契約更新は1年単位。
彼らは天才というわけじゃなかったけれど、普通の人以上の思考はできて、でもデイトレはやったことがない手垢のついていない人たちだった。最適な人たちを選べたし、自分もいいことを思いついたもんだと思っていた。
教えるといっても、僕が指示を出すのでは意味がないし、僕の後追いでもやはり意味がない。そうではなく、売買の王道である順張りなど、基本の理論を教えた。プリントを作っては2週間に一度ずつ全体講義もやった。
でも同じように教えたはずなのに全然違う売買をする。
利食いする人はすぐ利食いするし、損にはすごく耐えられる人とか、すぐ損切りする人とか、買い増しする人とかタイプがバラバラで合理的にはならなかった。
ジャンジャン儲かるかと思ったら、まるでダメ。
みんな、1000万円でスタートして、2年間やった結果、一人だけ2400万円になり、あとはちょいプラスやちょいマイナス。数百万円のマイナスもいた。
勝った人間はストップ高でさらに買い増しなども行っていた。「上がり続けるものは上がる」けれど、実際やるとすれば非常に勇気がいる取引。
全体で見れば、およそ給料の分だけマイナスになった。
35万円×24か月だから4200万円だ。
今から振り返れば、講義したくらいではダメで、売買にはみんなの本能が出ていた。インセンティブもあるので、お金が絡むとその人の本能が勝ってしまう。
学校の勉強や終活で堅実な人は守備寄りになって、ものすごく利幅が少ない売買をしてしまう。また、学校では豪快な「テストあるのに寝坊しちゃったよ」とか「必修なのに全部単位を落としちゃった」みたいな人は、損益も豪快になる。
僕はギャンブルは好きなんですが、自分に博才は無いと痛感しているので、「人生に多少の凹凸をつけて楽しむ程度」にしています。
もちろん、勝ってばかりなら、そのほうが良いのだけれども。
博才とか度胸のない人間が多少「勉強」したとしても、お金がかかった場になると、その人の「本質」みたいなものが出てしまって、適切な行動はできないんですよね。
この本は、もしかしたら、cisさんからの「投資に向いていない人は、付け焼き刃でやらないほうがいいよ」という老婆心からのメッセージなのかな、と僕は思いました。
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- 作者: moto
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