琥珀色の戯言

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プレイボーイの人生相談―1966‐2006 ☆☆☆☆☆

プレイボーイの人生相談―1966‐2006

プレイボーイの人生相談―1966‐2006

 『週刊プレイボーイ』40年間の「人生相談」を集めた本。
 僕にとって『プレイボーイ』って、「あれば読む」というくらいの付き合いの本なのですけど、この人生相談のコーナーも、「けっこう適当に答えてるなあ……」という感じで、いつも半分読みとばしてしまうようなコーナーなんですよね。でも、こうしてさまざまな回答者の「返事」をまとめて読んでみると、すごく面白い本になっているのに驚きました。本全体から満ち溢れる「時代の申し子」たちの無遠慮なまでに発散されるエネルギー!
 回答者の「個性」はもちろんなのですが、「結局、40年経っても、人間の(とくに若い男子の)悩みなんて、ほとんど変わってないんだなあ」ということにも驚かされます。僕がとくに気に入ったのは、柴田錬三郎さん、赤塚不二夫さん、武田鉄矢さんの回答。武田さんなんて、テレビで観るたびに、金八先生のイメージもあってか、「説教臭いオジサンだなあ」と思っていたのですが、この人、確かに良いこと言ってるなあ、とあらためて感心しました。

 こんなやりとりも、なかなか興味深いです。(赤塚不二夫さんの項より)

質問者:数ある赤塚キャラクターの中でも、ボクは『天才バカボン』に登場するレレレのおじさんが大好きです。硬直化した世の中の常識を「お元気ですか? レレレのレ!」のひと言で笑い飛ばすアナーキーな爆発力。時にはバカボンのパパ以上の存在感をもって読者に迫ってきます。おじさんが持つホウキは読者の頭にこびりついた偏見や虚栄心などといったゴミを掃き清める道具であり、おじさんは読者が素直に赤塚ギャグの世界に入り込むためのギャグ案内人なんじゃないか? 先生、あの偉大なレレレのおじさんというキャラクターは、どんなキッカケで生まれたのですか?

赤塚:あ、あれ? コマが1コ空いちゃったから何か描いとけって適当に描いたの。意味はない。

「偏見や虚栄心」がこびりついていたのは、いったい誰だ?というお話。

『プレイボーイ』発ということで女性には敬遠されがちな本かもしれませんが、(男性はもちろん)女性にも十分楽しめる本です。
もしかしたら、「男ってこんなバカバカしいことでみんな悩んでいるのか」と呆れられてしまうかもしれませんが。

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