琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

涙そうそう ☆☆☆

那覇で自分の店を持つことを夢見て働く兄の洋太郎(妻夫木聡)のところへ、高校に合格した妹のカオル(長澤まさみ)がやって来て同居することになった。やがて資金が貯まり店が開店を迎えようとしたとき、洋太郎は詐欺に遭って莫大な借金を背負ってしまう。それでも洋太郎はカオルを大学に進学させるために必死に働くが……。 (シネマトゥデイ

 な、何なんだこの「お涙頂戴映画」は……
 と観終えたあと感動するというより驚いてしまいました。なんだか昭和の香りがする映画です。
 正直、ストーリーは「いくらお涙頂戴でも、もうちょっとひねりようがあるだろ……」と言いたくなるようなど真ん中ストレートの「泣かせる兄妹愛」ですし(で、あまりに泣け泣けと言われると、かえって泣けません)、駄作なんですけど、それでも妻夫木聡長澤まさみとおばあちゃんだけは観る価値がないこともないので困ってしまいます。

 ところで、この映画を観て僕が一番感じたことは、「これは『ワーキングプア』の映画なのだな」ということでした。学歴や技術はないけれどもひたすら一生懸命働いている洋太郎(でもバカでお人よしなのですぐに騙される)には、なんだかとても「行き場の無さ」を感じてしまったのです。結局のところ、洋太郎にできることは、なんとか妹を大学に行かせてやることくらい。彼自身は、これ以上、どうしようもないんですよね。生きるためには稼がないといけないし、日銭を稼ぐためには、自分の将来に向けての勉強の時間なんてない。そうやって年をとっていっても、何のスキルもないから就業条件が劇的に改善するわけもない。そして、過剰な期待に押しつぶされそうな妹には「もっと自分のことを大事にしてよ!」と責められる。現実にこうやって生きている人々は、妻夫木聡でも長澤まさみでもないのです。
 「再チャレンジ」って言うけどさ、安倍さんの言うところの「再チャレンジ」って、ある程度の実績とかスキルのある人だけを想定して言っているんじゃないかな、という気がします。

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