琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

さまよう「親切」

『invisible-runner』 May7.2006
http://allure.iobb.net/~tek/200605.html

 この話を読んでいて思い出したのですが、アメリカという国では(といっても、ある州のごく一部の地域でしかないのだけど)、たとえばエレベーターのボタンを押しておいてあげたりか、道を譲ってあげたりするだけで、”Thank You.”という言葉が、ごく自然に笑顔とともに返ってくるのです。いや、それが「正しい」かどうかはというのはさておき、そんなふうに気持ちの良いリアクションがあれば、みんな親切にしやすいと思うんですよね。日本の場合、せっかく親切にしても無言でそれが当然のごとく立ち去られたり、場合によっては拒否されたりすることも少なくないので、「善行」をやろうという人にとっては、よりいっそう勇気が必要になってしまうのです。「こんなことして、かえって拒否されたらどうしよう…」って。
 「小さな親切をしよう」という教育をするのも大事だと思うのですが、本当に「小さな親切」を根付かせたいのであれば、「親切を受ける側になった場合にも、積極的に親切を受け入れ、相手に感謝の態度を示す」という習慣づけも必要ですよね。

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