- 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
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日本映画製作者連盟によるジブリ作品のデータ。
順位 作品 興行収入(配給収入) 観客動員
1 千と千尋の神隠し 2001年 304億円 2350万人
2 ハウルの動く城 2004年 196億円 1500万人
3 もののけ姫 1997年 193億円(113億円) 1420万人
4 ゲド戦記 2006年 76.5億円 588万人
5 猫の恩返し/ギブリーズ episode2 2002年 64.6億円 550万人
6 紅の豚 1992年 (28億円) 304万人
7 平成狸合戦ぽんぽこ 1994年 (26.5億円) 325万人
8 魔女の宅急便 1989年 (21.5億円) 264万人
9 おもひでぽろぽろ 1991年 (18.7億円)
10 耳をすませば/On Your Mark 1995年 (18.5億円) 208万人
11 ホーホケキョ となりの山田くん 1999年 (7.9億円)
12 風の谷のナウシカ 1984年 (7.6億円) 91万人
13 となりのトトロ/火垂るの墓 1988年 (5.9億円) 80万人
14 天空の城ラピュタ 1986年 (5.8億円) 77万人
久々に『となりのトトロ』を観たのですが、相変わらず絵と音楽(『トトロ』の音楽は、ジブリ歴代ナンバーワンだと僕は思ってます)が素晴らしい。正直、ストーリーは、「まあ、子供には見せてあげたいよね」という感じなんですけど。
先日、『崖の上のポニョ』のプロモーション番組で、ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが出演されていたのですが、鈴木さんは、この『トトロ』が、ジブリにとっての「大きな転機になった作品」だったと仰っておられました。
上の歴代ジブリ作品の配給収入・興行収入(いま一般的に用いられているのは「興行収入」なのですが、以前までは「配給収入」として映画の「売り上げ」が公開されていました。『もののけ姫』の配給収入と興行収入を比較していただければわかるように、配給収入は興行収入よりも低い数字になります)を見ていただければ一目瞭然なのですが、名作として名高い『トトロ』は、なんと、ジブリのなかで「ブービー」なんですよ。しかも最下位は、あの『ラピュタ』!
『トトロ』は作品としては非常に高い評価を受け、映画賞もたくさん獲ったのですが、どんなにすばらしい作品でも、お客が入らなければどうしようもありません。『ナウシカ』以来、作品の評価は高くても「観客動員が頭打ち」の状態が続いており、当時のジブリの内部は、「そろそろうちのアニメ映画も終わりか……」というような雰囲気になっていたそうです。
そこのとき鈴木さんが起死回生の手段としてはじめたのが、「テレビ局との密接なタイアップ」でした。
『魔女の宅急便』は、日本テレビでガンガンCMが流されることによって知名度が飛躍的にアップし、『トトロ』の4倍もの配給収入を生み出しました。
当時のジブリは、「なりふりかまってはいられなかった」のです。
ですから、「クロネコのジジ」なんていう露骨過ぎるタイアップキャラも出てくるわけで。
この糸井重里さんが作ったコピー(『トトロ』にも、声の出演をされていましたね)を耳にしたことが無い人は、当時、珍しかったのではないでしょうか。
ある意味、ジブリを救ったのは「作品の質の向上」よりも、「プロモーションの質の向上」だったのです。
あと、『トトロ』には、こんなエピソードが。
『トトロ』は、『火垂るの墓』との同時上映が決まっており、当初は両作品とも60分ずつ、ということで製作されていたそうです。
ところが、高畑勲監督が完成させた『火垂るの墓』は80分。そこで宮崎駿監督の生来の負けん気が発揮され、「じゃあこっち(トトロ)も80分!」と、映画の尺を延ばしてしまったのだとか。当初、サツキ、メイの2人姉妹ではなく、女の子ひとりだけの話だったのに、「時間を延ばすために、子供をひとり増やした」のだそうですよ。「子どもひとりあたり20分!」と監督は言っていたとかいないとか。
『崖の上のポニョ』は、あのテーマ曲がこんなに耳に残っている時点で成功は約束されているようなものですが、さて、『千と千尋』『ハウル』『もののけ姫』の牙城を崩せるかどうか?
ナウシカの「新聞広告」って見たことありますか。---ジブリの新聞広告18年史
- 作者: スタジオジブリ責任編集
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