琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

旅ボン〜イタリア編〜 ☆☆☆☆


旅ボン~イタリア編~

旅ボン~イタリア編~

累計100万部突破の『ちびギャラ』作者、
イラストレーター・ボンボヤージュが描く、初めての旅行記マンガ。
自称ひきこもり作家の「初海外旅行」、
ナポリタンの夢は果たしてかなうのか!?

『旅ボン 富士山編』のほうを先に読んで、「作者と編集者たちの内輪ネタみたいな話ばっかりで、あんまり面白くないな……」と思ったのですが、Amazonの読者レビューでも「『イタリア編』は面白かったのに……」という声が多かったため、こちらも読んでみることにしました。僕にとって、イタリアは、「数少ない、行ったことがある外国」ですしね。

読んでみると、たしかに、この「イタリア編」は結構面白いです。
担当編集者の女性たち「ゴマーズ」は、存在感はあるものの、あまり内輪で盛り上がっている感じでもなく、「引きこもりイラストレーター」かつ「海外旅行初心者」であるボンボヤージュさんの素直なイタリアへの印象が書かれています。
僕も「現地の人に気軽に話しかけたり、観光ガイドに載っていない店を地力で開拓したりする」ような、「アクティブな旅行者」とは極北の人間なので、新しいものに驚きつつも、フィレンツェのドゥオーモ(街のシンボルの大聖堂)の薄暗い屋上への階段で、「ダンジョン?」とか思いついてしまう感覚はすごく親しみが持てますし。

「旅行好きのテキパキとした旅行記」みたいに高すぎるハードルでもなく、「マニュアル的な観光ガイド本」ほど無味乾燥でもなく、主な観光スポットは押さえながらも、ネタとして楽しめる本になっていると思います。
 それにしても、「青の洞窟」に天候不良で行けなかったのはしょうがないとしても(僕も南イタリアには行ってないんですけど)、フィレンツェウフィツィ美術館(『ヴィーナスの誕生』などが収蔵)を「人がたくさん並んでいるし、あんまり美術に興味ないから」とスルーし、ダ=ヴィンチの『最後の晩餐』も「予約してないと入れないんだったらいいや」と潔く諦めてしまったのには、正直驚きました。僕が美術館好きだからなのかもしれませんが、それでも、「イタリア観光本」で『最後の晩餐』を見ないっていうのは、けっこう思い切りがいい。
逆に、「普通の観光旅行」って、こういうものなのかもしれませんけど。

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