琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

「本当に面白い」新書10選

先日のエントリで、「新書の粗製乱造」について触れたのですが、「新書好き」として、「こんなに面白い新書もある」ことを紹介したくて思いついた企画。
僕がいままでに読んだなかで、「本当に面白かった」新書を10冊、厳選して御紹介します。
「悪い例ばかりでは、あまりに不毛なので。
読みやすさ、面白さ重視で、「内容に信頼がおけるもの」を選びました。
ちなみに、紹介している順番は、ランキングではなく思いついた順です。



(1)ルポ 貧困大国アメリカ

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

この新書の詳しい感想はこちら。
「現代のアメリカ」を知ることができる一冊。実在の人たちに取材してのルポなので、とても読みやすくて、心に響く新書です。
この新書は、「オバマ前」までなので『2』もあわせて読むことをオススメします。

ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)

『2』の感想はこちら。



(2)偶然のチカラ

偶然のチカラ (集英社新書 412C)

偶然のチカラ (集英社新書 412C)

この新書の詳しい感想はこちら。
「読むとちょっと賢くなれて、自分のものの見かたが変わるような気がする」
僕にとっては、もっとも「新書らしい新書」だと思う一冊。
「どうして自分には運が無いのだろう?」とお悩みの諸兄は、ぜひ御一読を。



(3)ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所

ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書)

ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書)

この新書の詳しい感想はこちら。
「底辺校」と呼ばれる高校の信じがたい現実を知ることができる一冊。



(4)仕事道楽―スタジオジブリの現場

仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書)

仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書)

この新書の詳しい感想はこちら。
ジブリ作品のファンはもちろん、「創作者」という人種に興味がある人には、ぜひおすすめしたい一冊です。そして、自分は世の中の役に立っていないんじゃないか」と自信を失くしかけている人にも。



(5)ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

この新書の詳しい感想はこちら。
なぜ、梅田望夫さんは「日本のWebは『残念』」と口にしてしまったのか?
その理由がわかる一冊。
Webに「失望」している人たちには、とくにオススメです。



(6)ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語

この新書の詳しい感想はこちら。
佐々木俊尚さんが書かれる新書には刺激的なものが多いのですが、今回はあえて、比較的語られることが少ないこの一冊を。
この新書は、コンピューター業界を熟知した第三者によって冷静かつ客観的にまとめられながらも、それでもなお、黎明期のIT企業の「熱さ」が伝わってくる良書だと思います。



(7)武士の家計簿

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

この新書の詳しい感想はこちら。
志を高く持って大言壮語し、天下国家を語るような武士たちが主役であったはずの幕末に、大きな夢を語ることもなく、「経理という自分に与えられた仕事をただひたすらにやり続けて生き、そしてその『自分の仕事』で歴史を少しだけ動かした人」の物語。
フィクションではなく、遺された資料から浮かび上がってくる「事実」の重みが素晴らしい。
この新書が「映画化」されたのには驚きました(僕は未見なのですが)。



(8)ラテンアメリカ十大小説

ラテンアメリカ十大小説 (岩波新書)

ラテンアメリカ十大小説 (岩波新書)

この新書の詳しい感想はこちら。
僕のような「遅れてきたラテンアメリカ文学初心者」には、まさに絶好の入門書になってくれると思います。
「新しい世界への扉を開いてくれる」新書のお手本のような一冊。



(9)心と響き合う読書案内

心と響き合う読書案内 (PHP新書)

心と響き合う読書案内 (PHP新書)

この新書の詳しい感想はこちら。
小川洋子さんのファンだけではなく、本好きにとっては「タイトルは知っているけれど、なんとなく読む機会がなかった名作を読んでみるためのきっかけ」に、本をあまり読んだことがない人にとっては、「自分に合った、面白い本を探すための」になる良質のブックガイドとして、オススメの一冊。



(10)現代アートビジネス

現代アートビジネス (アスキー新書 61)

現代アートビジネス (アスキー新書 61)

この新書の詳しい感想はこちら。
書きづらそうなお金の話まで含めて、ここまでわかりやすく「現代アートビジネス」について書かれた本は稀有なのではないかと思いますし、僕のように「現代アートってうさんくさいなあ」と常々感じている人には、ぜひ一度読んでみていただきたい一冊。


以上、駆け足で10冊、御紹介してみました。
どれも「読みやすくて、面白くて、読んだあと少しだけ自分の世界が広がったような気がする新書」です。
機会があれば、ぜひ手にとってみていただきたいと思います。

「新書が悪い」わけじゃなくて、「新書という形態のメリットを活かさず、『有名人の粗製乱造本の温床』にしてしまっている人たち」が悪いんです。
著者にしても、出版社にしても、そんな本ばかり手にとってしまいがちな読者にしても。

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