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琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

ターミネーター:新起動/ジェニシス ☆☆☆

映画



あらすじ
2029年、ロサンゼルスでは人類抵抗軍が人工知能による機械軍との戦いに終止符を打とうとしていた。1997年、機械軍による核ミサイルで30億人もの命が奪われた“審判の日”以来の悲願がかなうときが目前に迫る。一方機械軍は、抵抗軍のリーダーであり、驚異的な力を持つ予言者ことジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)を生んだ母サラ・コナーを亡き者にすべく、1984年にターミネーターを送り込み……。

参考リンク:『ターミネーター:新起動/ジェニシス』公式サイト


 2015年18作目。
 金曜日のレイトショーで観賞しました。
 観客は10人。僕と同じくらいの世代(40代くらい)がほとんどでした。


 おお、やっぱり、ターミネーターシュワルツェネッガーじゃないとねえ!  
 ダダンダン、ダダン! ダダンダン、ダダン
 懐かしのテーマ曲が!
 いやーほんと、『ターミネーター2』を、大学時代に部活仲間と観に行って、「映画って面白いねえ!」と興奮したことを思い出しましたよ。


 えっ、ああ、この『新起動』の話ですね。
 えーっと、寝不足で観に行った僕にも責任はあるのですが、派手なアクション映画のはずなのに、後半はかなり眠くなってしまって、何度か意識を失ってしまいました
 CGは『1』や『2』の時代とは比べ物にならないほど進化しているし、オープニングのスカイネット軍団との戦いも、スケールが大きくて面白い。
 いっそのこと、オープニング部分を1本の映画にしてしまったほうが、良かったのではないか……と、田中芳樹さんが『銀河のチェス・ゲーム』という小説の序章から『銀河英雄伝説』を書いたことを思い出してしまいました。要するに、本編はイマイチだった、ということです。


 いやほんと、映像はすごいのだろうと思うのだけれど、ストーリーはなんだかわけがわからないどころか、観客に「予想外」だと思わせるために、この作品の根本的な世界観にかかわる部分にまで手をつけてしまっています。
いやちょっと待て、それをやってしまうと、いままでの『ターミネーター』はいったいなんだったんだ?って思うよ。
 もうすでに『3』で落胆し、『4』で呆れている人ばかりだとは思うけれど。
 そもそも「過去を変えることで、未来を変える」を、何度もできたり、どの時代にも行けたりする、という設定にしてしまえば、もう収拾がつかなくなることは目に見えているのです。
 ものすごく強い「ターミネーター」と、迫力のある追いかけっこができて、シュワルツェネッガーが出ていれば、それは『ターミネーター』なのだ、という意見もあると思うし、僕も、この映画は、シュワルツェネッガーが、ターミネーターをやっているのが、唯一にて最大の「救われるところ」だと感じました。
 でもさ、これって、ひとり『エクスペンダブルズ』みたいなものですよね。


「古いが、ポンコツではない」


 そうシュワルツェネッガーが言うたびに、「ああ、観客が『老いたな』ってツッコミを入れること前提で、この映画をやっているんだよなあ」と、ちょっと悲しくなるのです。
 『エクスペンダブルズ』って、老いたスーパーヒーローたちが、その「老いてもくたばっていない」ところをオールドファンにみせて、喝采をあびる藤波辰爾の昭和プロレスみたいなものです。
 ところが、この『ターミネーター/新起動』は、なんか複雑なストーリーをつくって、その辻褄をあわせようとしてしまったがために、かえって、「シリアスなドラマのなかで、オールドファンにアピールしているシュワルツェネッガーが浮いてしまっている」のですよね。
 真面目に「世界」を構築したいのか、それとも「シュワルツェネッガー復活公演」をぶち上げたかったのか?
 サラ・コナーとか、前はもっと存在感のある女優さんだったのに、なんか地味になってしまって……
 アクションシーンも、比べてみれば、前よりもずっと「映像的にすごくなっている」はずなんですよ。
 でも、同じようなアクションや格闘、銃の撃ち合いが続くので、「こんなに大音量で銃撃戦や殴り合いをやっているのに、観客席で眠くなってしまう映画」になってしまった。


 今回の『ターミネーター』を観て痛感したのは、「ターミネーター」シリーズというのは、シリーズだと思われているけれど、ジェイムズ・キャメロン監督の『1』『2』、とくに『2』だけが特異的によくできていただけではないか、ということです。
カリオストロの城』が面白かったという経験をもとに、「『ルパン三世』の映画は、みんなカリオストロみたいな内容でなけれなばらない」と思いこんでいるようなものだったのかもしれません。


 こんなもんなんだよね、ターミネーター
『2』の幻影を、追いかけすぎた。
 次回作は、DVDレンタルで良いかな、と。