http://d.hatena.ne.jp/akichu/20040726#p1
伊坂幸太郎さんの作品を「信用できない」という言葉に、僕はなんとなくいままで引っかかっていたものがわかったような気がしました。伊坂さんの作品は、どれも優しくてあまり人が激しくは傷つかないのですが、そこに僕は「優しさ」とともに「遠慮」みたいなものを感じてしまっていたようです。「アヒルと鴨のコインロッカー」で、僕は琴美さんが車にはねられて死ぬシーンで、「僕が作家だったら、きっと琴美さんをペット殺しの犯人になぶり殺しにさせるよな」と思いましたし、ドルジの復讐は、もっと凄惨なものになるだろうな」と考えました。むしろ、そのほうが自然な流れなのではないか、と。
そんなシーンを読むのは、読者としてはけして心地よいものではないけれど。
ただ、伊坂さんは、「優しい」のと同時に、「読者を不快にさせてはダメだな」と遠慮(あるいは計算)している面があるような気がして、そこがちょっと「優しいようで、よそよそしい」印象につながっているのかもしれません。
いや、乙一さんになれって言っているわけじゃないですよ。