琥珀色の戯言

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第132回芥川賞・直木賞レースを「文学賞メッタ斬り!」が予想する(エキサイトブックス)

http://www.excite.co.jp/book/news/00021105170906.html

 言われてみると確かに、奈良の事件直後のこの御時世にロリコン男が主人公だという阿部和重さんの「グランド・フィナーレ」を選考委員が選ぶかどうかというのは、ちょっと疑問な気もします。いや、話題性という意味では本は売れるかもしれませんが、審査員もちょっと引くだろうし、阿部さんにとってもこの作品で受賞してしまうと、かえって今後のためには良くないかもしれない。
 あと、角田光代さんの「対岸の彼女」は評判が良いのですが、直木賞っていうのはえてしてそういう傑作はスルーされて、あんまりたいしたことがない次回作で受賞して「何で前作にあげなかったの?」と言われがちのような。
 伊坂幸太郎さんは前作「チルドレン」で候補になったとき、「まあ、これがダメでも『グラスホッパー』は評判いいみたいだしね」と言われていたにもかかわらず、蓋をあけてみたら、『グラスホッパー』はいまひとつ盛り上がらず。読み手のほうもずっと読んできた人は、少し慣れてきた印象があるので、今後の読者の裾野を広げておくという点では、タイミング的に今回かな、とも思うのですが。

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