琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

スマトラ島沖地震

(1)現地では身元確認のための遺体の保存よりも、衛生上の問題が大きいために遺体をどんどん焼いてしまっているそうだ。あの中越地震のときに、亡くなった(ことがほぼ確実な)女の子のからだを車から救出するのに何人もの特殊レスキュー隊員が力をふりしぼったのを思い出すと、人間の「価値観」というのは、あくまでも相対的なものだということなのだろう。少なくとも「今、生きている人間の命のほうが大事だろう?」と言われれば、首肯せざるをえないし、15万人という数字の前では、なんだかほんとうに無力感だけが残る。「非常事態」というのは、ひとりの人間の価値がどんどん失われていく状況のことなのだろう。

(2)もしあそこがリゾート地でなかったら、各国の人々が被害に遭わなかったら、世界は今ほど関心を持って援助の手を差し伸べようとしただろうか?そんな仮定には、意味なんてないとしても。

(3)http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050109-00000013-yom-sociによると、津波の圧力は(いちばん強かった地域において)、広島の原爆の約5分の1だそうだ。
僕はこのニュースを見て、あの津波の5倍もの威力の兵器を60年前の人類が同じ人間に対して使用していたという事実に愕然とした。しかもその兵器は、まだ世界中にたくさんあるのだ。「仰止力」とかいうけれど、あんな津波が起こる確率と核兵器が暴発する確率というのは、そんなに大きな差があるものなのだろうか?

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