琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

100円の世界

http://d.hatena.ne.jp/chakichaki/20050726

 僕はあの100円ショップの書籍に関しては「読みたい本が無い」から買ったことはありませんが(地図とかは買ったことがあるけど)、「安いから」みんなが100円ショップで買い物をするというのには、ちょっと怖いなと感じるところもあるのです。
あそこでは、原価が100円以上のものでも、「店が潰れて、少しでも現金化したい」というような商品を安値で仕入れてきて、100円で売ったりもしているようなのですが、それって、一種の悪循環というか、そうして買い叩かれたものをみんなが100円で買うことに慣れてしまえば、それを「正価」で作るひとはいなくなって、結局、その産業は衰退の一途をたどってしまうのではないか、と思うのです。
 ちょっと脱線するのですが、僕は昔X68000というパソコンを持っていて、このマシンはその高性能(その多くは「ゲーム向け」だったのですが)のために一世を風靡したにもかかわらず、ユーザーが「ゲームは高すぎる」とかなんとか言いながら、市販のゲームを買わずにコピーしまくったため、ゲームが売れなくなって、ついには新作ゲームが発売されなくなり衰退していきました。いやまあ、それが無くても、パソコンの「寿命」なんて、永遠のものではないし、あのころ寡占状態になったPC98シリーズなんていうのも、いまでは過去の遺物なんですけどね。でも、ひとつの教訓として、「安さ」というのは、消費者にとってはありがたい一方で、生産者にとっては、身を切られるような面があるはずなのです。そして、「安さ」ばかりを重視していると、結果的には消費者も自滅への道をたどるのではないか、と。
 吉野家の偉い人は、「みんなが『安い牛丼』を待っているんだから、アメリカ産牛肉の輸入再開を!」と言っているのですが、僕はそれを聞くたびに「安いんだから、安全性には、多少は目をつぶってもしょうがないだろ?」と言われているような気がしてならないのです。「安い」っていうのには、なんらかの「理由」があるわけで。
 本、とくに新刊書は、けっして安くはないと思います。でも、それが面白い本を作り続けるのに必要な「痛み」なら、僕はそれを受け入れていくべきだと考えています。
 でも、「本を売る」側にとっては、キツイ時代なんだろうなあ……

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