琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

スタンフォード監獄実験

http://x51.org/x/06/04/2439.php

 人は、自分が置かれた『役割』に、どれだけ影響されるのか?という非常に有名な実験です。
 かなりわかりやすく、かつ簡潔にまとめられているので、ここで紹介しておきます。

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 ↑は、この実験をモチーフにした映画なのですが、僕はこれを観て、僕たちが「自分」だと信じているもののあまりの脆さ、危うさに愕然としてしまいました。大部分の人間は、自分が与えられた「役割」に踊らされているだけなのかもしれないし、それが「自分に与えられた役割」であれば、どんな酷いことでもできてしまうのです。
http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20060407
↑にも書きましたが、伊坂幸太郎さんの「魔王」という作品に、こんな件があります。

「でも、戦争では、人は人を殺す」
「だから、殺人を実行するにはいくつかの要因があるんですよ。たとえば、面白いことが書いてあったんですが、戦場から帰ってきた兵士に、『なぜ人を撃ったのか』と質問をした時、一番多い答えは何かと言うと」
「殺されないために?」
「俺もそう思ったんだけど、違いました。一番多いのは、その本によれば」
「よれば?」
「『命令されたから』」
「なるほど」
「これは他の人の実験でも明らかになっているらしいんですよ。人は、命令を与えられれば、それがどんなに心苦しいことであっても、最終的には実行する」

 「僕は」あんなことしない、というのは、たぶん傲慢なのです。
 おそらく、みんな同じことを考えていたはずなのだから。

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