琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

間宮兄弟 ☆☆☆

30代になっても仲良く同居し続ける兄弟が、日常にささやかな幸せを見出しながら人生を送る姿を描いたドラマ。『阿修羅のごとく』の森田芳光監督が、人気作家・江國香織の同名原作に流れる空気感を余すところなく映像化した。『県庁の星』の佐々木蔵之介とお笑いコンビ“ドランクドラゴン”の塚地武雅が、絶妙なコンビネーションで間宮兄弟を好演。人生の楽しみ方とおもてなしの得意な兄弟のおりなす寓話に心がほっこり温まる良作。(シネマトゥデイ

↑の作品紹介を読んで僕は「えっ?」と思ったのです。この「間宮兄弟」って、「心がほっこり温まる良作」なの?僕には「阻害される異分子が肩を寄せ合って生きている姿を面白がって指差している人々の姿」が見えてきてしょうがなかったんだけど。「間宮兄弟」は、結局、彼らが本当に求めているものからは、「相手にもされていない」わけだしさ。もちろん、女の子とつきあうことだけが人生じゃないとは思うけれど、彼らが努力すればするほど、女性たちからは「評価対象外の人」になっていくのが、とてもせつないのです。とくに塚地演じる弟のほうの「痛さ」は、なんだか僕の姿を見せられているようで、正直観ていて辛かった。江國香織さんらしい「優しさ」と「残酷さ」が滲み出ているような気がします。しかし、ドランクドラゴンのコントで出てくるキャラクターって、まさにこの映画で塚地さんが演じた間宮弟ですよね。僕はあれを観ていると、いつもとても悲しくなるのです。ただ、「社会の中のそういう存在」を正面からさらりと描いてみせたというのは、ひとつの「成果」なのかもしれないなあ、とも感じるのですが。
この映画の見どころって、僕にとっては、「普通の女の子」を演じているはずなのになぜかやたらと存在感がある沢尻エリカさんと、映画を観ながら「この女の人って、まさか……」とキツネにつままれたような気分でいたら本当にそのまさかだった、間宮兄弟の母親役の中島みゆきさんくらいでした。
それにしても、森田芳光監督、この小説をここまでの映画にしたのはたいしたものだと思う一方で、もう少し仕事選んだらいいのになあ、という気もします。

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