琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

パプリカ ☆☆☆☆☆

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医療研究所が開発した他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー“DCミニ”。だがそれが盗まれ、悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するように。一体、犯人の正体は? そして目的は何なのか? 事件の解明に挑む美人セラピストの千葉敦子は、クライアントの夢の中へ容姿も性格もまったく違う夢探偵“パプリカ”となって入っていくが、そこには恐ろしい罠が待ち受けていたのだった…。
筒井康隆の傑作SF小説を、『東京ゴッドファーザーズ』の今敏監督がアニメ化したサスペンスファンタジー。制作は『時をかける少女』のマッドハウス

筒井フリークであるにもかかわらず、劇場公開時に見逃してしまった僕としては、「ようやく観ることができた!」という感じでした。
結論から言うと、「なんだかよくわからないところも多かったけど、これぞまさに『アニメーションでしか描けない世界』だよなあ」と感動しましたし、『時をかける少女』のような「清純派」にも、この『パプリカ』のような「好事家向け」にもなれる筒井康隆の作品の幅広さを再確認させられた次第です。まあ、こんなふうに筒井作品の優れた映像化が続いているのは、筒井作品を若い頃にリアルタイムで読んで衝撃を受けた人たちが、「創る世代」になってきた、という面も大きいのでしょうね。
内容的には難しいところもありますし、「夢の世界と現実世界のつなぎ目」みたいなところがものすごく曖昧で、「なんでそれが現実に反映されるの?」とか考えてしまうところもありました。実際、僕もこの『パプリカ』という作品の全部を理解できたわけではありませんが、夢の話をあまりに正確に理解しようとするほうが間違っているのだろうな、と。
逆に、「あの原作をこんなに『まとまった話』にしたのはすごいな」とも思うんですけどね。パプリカも千葉敦子もそれぞれ魅力的だし、人間の「自分でも理解できない歪み」みたいなものもうまく描かれているような気がします。ただ、この世界観で、声優が林原めぐみさんだと、なんか『エヴァンゲリオン』意識してるなあ……とか、「あっ、巨大化綾波レイ?」とか思ってしまうので、おそらく「狙っている」のでしょうけど、それがこの作品にとってプラスに働いているのかどうかは不明です。興行的にはプラス、なのかな……
しかし、この作品で頻繁に出てくる「大名行列」の光景って、躁病の人の妄想の典型的なパターンなのでしょうか? 
そう考えると、『平成狸合戦ぽんぽこ』 って、ものすごく「誇大妄想的」な作品なのかもしれません。

なかなか刺激的で興味深い作品ですし、あの世界を映像化したというだけでも一見の価値はあると思いますが、観た日の夜は、ちょっとヘンな夢を見てしまうかも……

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