琥珀色の戯言

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猿の惑星:創世記(ジェネシス) ☆☆☆☆


<ストーリー>
現代のサンフランシスコ。製薬会社ジェネシス社の研究所に勤める若き神経科学者、ウィルが実験のためアルツハイマー病の新薬を投与した一匹のチンパンジーが驚くべき知能を示した。ところが、そのチンパンジーは突如暴れ出した挙句、射殺されプロジェクトは中止されてしまう。ウィルは生まれたばかりの赤ん坊を自宅に連れ帰り、“シーザー”と名付けて育てることに。3年後、すくすくと育ったシーザーとウィルとの間には本物の人間の親子のような強い絆が生まれており、同時に特殊な遺伝子を受け継いだシーザーは、類まれな知性を発揮し始めていく。しかし、ある事件がきっかけで、シーザーは人間の愚かさに失望してしまうのだった。そして、失望は地球上の生物の進化の概念を覆す「壮大な闘い」の序章へとつながっていく……。


 この映画、あんまり期待していなかったのですが、けっこう楽しめました。
 ストーリーは、最初の30分観た時点で、もう予想がつくんですよ。
 ああ、こいつが、って。


 そういう意味では、観ているときの感覚は『スター・ウォーズ エピソード3』に近い印象です。
 どちらが最終的に勝つか、すでに知りながら観ているわけです。
 にもかかわらず、この映画は、なかなか面白い。


 まずは、猿たちのリアルな動きがすごい。「表情」があるんです。
 特撮技術もここまで来たのか……と、ちょっと感動してしまうくらいです。
 すごすぎて、逆に「猿らしくない」というか、人間が透けてみえるときもありますが。


 人間によって育てられ、飼い主家族からも大事にされていた猿・シーザー。
 彼はある理由で、どんどん賢くなっていくのですが、賢くなればなるほど、「自分が猿であること」が窮屈になってきます。
 実験材料にされる仲間の猿たちとの絆と、飼い主たちへの恩義。
 ほんと、ベタなんですけど、人種や国籍、性別よりも「種の違い」というのは、超えようがない壁だよなあ、と。


 主人公たちも、けっして悪いことをしようとしているのではなく、身近な人の病気を治したいという気持ち+誰にでもあるような功名心が、破滅のきっかけになっていくのです。


 「歴史的大傑作!」ってわけじゃないけど、よくまとまった「良作」だと思います。

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