琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

僕の「プチ鉄子の旅」

今年の夏休み(といっても9月中旬)なのですが、出産間近の妻と1週間北海道を旅行しました。
スピード違反で捕まったり、旭山動物園で平日にもかかわらずあまりにも人が多くて驚いたりもしましたが、なかでも印象に残ったのが、この「釧路湿原駅」だったのです。

参考リンク:釧路湿原ノロッコ号

ガイドブックで見て、雄大な湿原のなかを走る列車に「おお、世界の車窓から」みたいだ!と思い、この「ノロッコ号」に乗る予定だったのですが、折悪しく運休日。おまけに予定より釧路に着いた時間が遅くなってしまい、もう夕方。
それでも、せっかく来たのだからと、釧網本線の普通列車で釧路湿原まで行ってみたのですが……この駅が本当にすごかった!



いやまあ、写真だけ見れば、どこにでもあるような田舎の無人駅。
そもそもこの駅は、湿原を散策に行く人たちのための駅なのですが、到着時刻はもう夕方で、湿原の散策コースを一周して戻ってくるまでにかかる時間が約1時間程度。
しかしながら、身重なy嫁にはちょっと厳しそうだし、次の列車がここに停車する本日の最終。
一緒に降りた一人旅の男性は勇躍湿原に向かって行ったのですが、僕たちはこの無人駅でふたり、帰りの列車をひたすら待ったのでした。

ところが、この駅にはもうひとつ大きなトラップが。
それは、蚊!
そうなんですよ、北海道の9月中旬とはいえ、世界有数の湿原ですから、そこにはもう、アンビリーバブルな数の奴らが屯していたのです。
薄暗い駅舎のなかは、もうすっかり蚊たちの餌場。
僕たちは、1時間、ただひたすら蚊の大軍と戦い続けました。
逃げようにも、周りは湿原ですから、もうどうしようもないし、駅舎以外に蚊を避ける店などあるわけもなく……
もう、刺され放題。どうにでもしてくれ状態。

僕にとっては、日本の学会と同じような「昼ごはんを食べながら話を聞くだけ」のつもりで海外の学会のランチョンセミナーに登録してしまい、アメリカ人の司会者に「ヘイ、ユーたちどこから来たんだ、日本か。じゃあ、この疾患の治療の日本での治療はどうなっているんだ?」と、いきなり「日本代表」にされてしまったときに次ぐ、「長い1時間」でした。
虫よけスプレーくらいは、最低準備しておくべきだった。湿原おそるべし……

考えてみれば、「鉄子の旅」でキクチさんは、「取材」とはいえ、毎回僕が体験したこの1時間のような目にしょっちゅう遭っているわけです。
しかも、気軽な一人旅や友達とではなく、横見さんという、「ひたすら濃い、鉄道マニア以外にとってはどう接していいかわからないような人」と一緒に。
いやほんと、大変ですよねこれ。
マンガを読んでいると、「横見さんみたいなスゴイ人に面白そうなところを案内してもらっているんだから、そんなにツッケンドンにしなくてもいいんじゃない?」と感じてしまうのですが、実際に自分が「プチ体験」してみると、よくこのマンガ、これだけ続いたよなあ、と考えずにはいられません。

ああ、でも寝台特急に一度くらいは乗ってみたいよなあ。息子がわかるようになるまで、生きのこってくれていればいいのだけれど……

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