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内容(「BOOK」データベースより)
23人の読書家による、本棚にまつわるちょっといい話。増え続ける蔵本と、本棚に悩むすべての読書家に贈る書。
小野不由美さん、椎名誠さん、赤川次郎さん、児玉清さん、井上ひさしさん、池上彰さん……
その他、計23名の「読書家」たちが語る、本と本棚の遍歴。
本好きであれば、「自分の本棚」を持っているのではないでしょうか。
そして、自分の書庫をつくり、好きな本を好きなように並べてみたい、と。
僕は整理整頓が大の苦手、ではあるのですが、この本で紹介されているさまざまな本棚や書庫をみているだけで、「こんなところに住んでみたいなあ」と憧れてしまいます。
「自分の本棚の遍歴」について、愛書家たちが語っている本なのですが、本好きのなかでも、「本棚」に対しては、さまざまな考え方があるのです。
私は整然と整理された本棚があまり好きでない。
雑然としている方がいいというわけではない。実は今から40年余り前、書店の店員として働いたときの記憶がまとわりついているためなのである。
という「トラウマ」を抱えている、赤川次郎さんのような人も、いらっしゃるわけです。
赤瀬川原平さんの「書庫」の写真には驚きました。
さて建売住宅のあと、あれこれあって家を建てることになった。間取りを考え、書斎の後ろに書庫を造った。
書斎という言葉はふさわしくない。仕事部屋だ。書斎という言葉には、どうしても暖炉とかパイプ煙草のイメージがあり、そうするとやはりガラス張りの本箱となってくる。そもそもイギリス辺りでは、書斎とは一家の主の知的な私室でありつつ、実は親しさの証として客を特別に招き入れる応接間の役割があるようだが、ぼくの場合にはもうそれはなかった。できるだけ便利でコンパクトな仕事部屋ということで、その背後を仕事部屋と同じくらいの書庫として、両側三列ずつのスライド本棚を置いた。自分でもオリジナルだと思うのは、両側本棚の突き当たりに、仏壇を置いたことだ。
ぶ、ぶつだん……?
写真をみると、そんなに大きくはない仏壇なのですが、本がぎっしりと詰まった本棚の間に、仏壇が鎮座している光景は、なんだかとても不思議な感じがします。
でも、本にずっと接しているような生活であれば、これはこれで、合理的、なのかもしれませんね。
私の本棚には目かくしがついている。つまり、本棚にフタがついていて、中が見えないようなことになっているのである。
なぜこんなことになったかといえば、それは私にとって、ムキダシの本棚というのが「気になってしかたない」からだった。
私は部屋が散らかっていると落ちつかないようである。片づかない感じ、が自分の脳内に影響をおよぼすためだろうと思う。
南伸坊さんのように「本棚にフタをつけてしまった」という人もいるのです。
それも、「中が見えないようなフタ」を。
それって、ものすごく不便なんじゃないか、と考えてしまうし、実際に不便なはずなのですが、「それでも、フタをせずにはいられない」そうなのです。
こうやって本で紹介されるような本棚だから、みんな図書館のように整然としたものばかりかと思いきや、けっこう乱雑に並べられている本棚もありました。
でも、それはそれで、本棚というのは味がある。
この本のモノクロの写真だと、どんな本が並んでいるか、という一冊一冊の書名までは確認できないのですが、本当に、世の中にはいろんな本棚があるものです。
井上ひさしさんみたいに、「本で床が抜けてしまった人」もいるし。