- 作者: 箕輪厚介
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2018/08/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Kindle版もあります。
- 作者: 箕輪厚介
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2018/08/28
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内容紹介
NewsPicks Book編集長 箕輪厚介の初の著書。
ベストセラー連発! わずか1年で100万部突破!
天才編集者の革命的仕事術がここに明かされる!堀江貴文『多動力』、落合陽一『日本再興戦略』、
佐藤航陽『お金2.0』、前田裕二『人生の勝算』など、
最前線で戦う起業家の著書を次々に
ベストセラーにしてきたその「剛腕」の秘密。幻冬舎に身を置きながらも
月給の20倍もの収益を副業で稼ぎだす方法。オンラインサロン「箕輪編集室」を主宰し
1300名を集め、さまざまなイベントや
プロモーションで「熱狂」を生み出していく手法。本書では新時代の哲学を体現する箕輪氏の「働き方」を、
32の項目として立てて紹介する。
見城徹さんの本に構成も内容も似ているなあ、と思いながら読んでいたのですが、著者の箕輪厚介さんは、幻冬舎の見城さんの著書『たった一人の熱狂』をつくった人だったんですね。
仕事へののめり込み方とか、著者との付き合い方など、箕輪さんは見城さんに似ているなあ、と感じます。
僕は、NewsPicks Bookも何冊か読んでいるのですが、全体的なイメージとしては「粗製乱造」なんですよ。全部が全部そうというわけじゃないけれど、少なくとも堀江貴文さんの著書に関しては「読んだことがある話ばかり」でした。
ただ、箕輪さんは「時間をかけて、きっちりした本をつくる」よりは、いま、みんなが求めているものを、求められているときにつくりあげる、というスピード感を大切にしている人で、内容よりも、その「勢い」みたいなものに多くの人が惹かれているのだろうと思うのです。
編集者の仕事を一言で言うと「ストーリーを作る」ということだ。
いまの時代、商品の機能や価格は大体似たり寄ったりだ。
これからは、その商品にどんなストーリーを乗っけるかが重要になる。
例えば、このTシャツは、どんなデザイナーが、どんな想いを持ってデザインしたのか、そこに込められたメッセージは何か。そういった消費者が心動かされるストーリーを作ることが、洋服でも家具でも食品でも必要になってくる。
実はそれは、編集者の一番得意なことなのだ。
これからはあらゆる業界で、ストーリーを作る編集者の能力がいきてくる。僕はお客さんが買いたいと思うようなストーリーを作ることで、アジア旅行で買った、タダでもいらないような大仏の置物を数万円で即売させることができる。
今、僕が本以外の様々なプロデュース業をやっているのも、この力を求められているからだと思う。
この『死ぬこと以外かすり傷』という本も、まさに「箕輪厚介というストーリー」を売っているわけです。
こういうのって、売る側の論理としては、正しいと思うし、みんなが「箕輪さんみたいになりたい」と言うのもわかる(見城さんや箕輪さんの仕事への没頭ぶりをみていると、そう簡単に真似できるようなものではないだろうけど)。
ただ、僕は消費する側として、「タダでもいらないような大仏の置物を数万円で売りつける」ことへの罪悪感はないのだろうか、と考えずにはいられないのです。
売る側も、その大仏にそれだけの価値がある、と思い込んでいるのなら、仕方がない面はある。
でも、箕輪さんは、石ころであることを知りながら、「これはダイヤモンドだ」と顧客に感じさせ、それを売ろうとしているように思われます。
そういう売り方こそが「現代的」であり、今の時代を生き抜くための戦略なのだ、ということなのかもしれませんが。
箕輪のやっていることは信者ビジネスだと批判されることがある。
「箕輪の本は信者が買っているだけ」「箕輪のオンラインサロンは信者を集めているだけ」
しかし誤解を恐れずに言えば、これからのビジネスはほとんどが宗教化していくと思っている。信者を集めることができなくてモノを売ることなどできない。
その背景は人が孤独になったことと、物質的に満たされたことの2つだ。
人はスマホによって孤独になった。スマホという小宇宙によって、人は自分が好きなものしか見ないようになった。その結果、好みや生き方が凄まじい勢いで細分化した。スマホから顔を上げると、周りは自分とは違う世界の住人ばかりだ。
テレビという画面の前に家族仲良く座っていた10年前のように、学校や会社に行けば昨夜のドラマの話題をみんなでするということはなくなった。今では同じ会社の隣の席の人でも、何が好きかどうかわからないというのが普通になった。
人は多様になった。悪いことではない。しかし、その結果として人は孤独になった。好きなものを語り合い、同じ想いを共有する場所がなくなったからだ。
そこで生まれたのがオンラインサロンをはじめとするネット上のコミュニティだ。会社や学校など物理的に近い人とのコミュニティが解体された一方で、SNSなどによって、同じ趣味や価値観を持つ人と、組織を超えて繋がりやすくなった。
僕のオンラインサロン「箕輪編集室」で言えば、「死ぬこと以外かすり傷」というスローガンに共感できる人が1300人集まってライティングやデザイン、動画制作などのクリエイティブな活動をしている。
ネットのおかげで、「自分と趣味のあう人とつながりやすい」社会になったのは間違いありません。
「身近な人だから、気が合わなければうまくやっていかなければならない」というプレッシャーからも少しは解放されました。
その一方で、ネットでもリアルでも「どっちつかず」みたいな感じになって、なんとなく行き場を失っていまう人もいるのです。
今の世の中、それなりの収入があれば、ひとりでも生きていくための物資には、そんなに困りません。
それでも、人間には所属欲求みたいなものがあって、孤独に長期間耐えるのは難しい。
そういう人たちにとって、オンラインサロンというのは、「つながりたいときにだけ、つながれる場所」として、活用されてもいるのでしょう。
プロ野球やアイドルだって、「信者ビジネス」ではありますし。
少なくとも、あんまり高額なものや人生を左右しすぎるものを買わされるサロンに関しては、僕はおすすめしませんけど。
僕は評論家や同業者から評価されるために本を作っているわけではない。現実を生きる読者や目の前のビジネスで格闘する経営者や起業家が、その本を読んで心が動かされたり、実際の行動を変えてくれるきっかけになればと思って作っている。
ビジネス書の目利きが毎日ビジネス書の評価をしている役立つメルマガがある。
そこでは「著者の与太話を書いて、話題性だけで売れている」と『多動力』が酷評されていた。
その一方で僕の元には『多動力』を読んで人生が変わったと言う若者が多く集まっている。仕事をやめて大阪からわざわざやってきて、今僕のカバン持ちをやっている人間もその一人だ。
産業医の大室正志が自身のラジオで言っていた。
「箕輪さんの本を編集者の人って、編集が粗いとか雑だって言う人がいるんだけど、それって、セックス・ピストルズに対してギター下手だって言うのと一緒。ナンセンス。出版、編集っていうのは上手い人はいくらでもいる。でも今ある土台をぶち壊すような新しい手法、壊す手法を箕輪さんはやっている」
田畑信太郎がこの発言を受けて「拙著『ブランド人になれ!』の制作過程で気付いた。箕輪氏は出版界のセックス・ピストルズだ。彼は上手いか下手か?でなく、熱いかどうか?伝わるかどうか?に命を賭けているんだ」とツイートした。
動画クリエイターの明石ガクトは「箕輪さんの本はリアリティショーだ。評論家や引退したおじいちゃんが書く他のビジネス書と違って、まさに今、時代の先端で動いている人のリアルを切り取っているからおもしろい」と語った。
まさにそのとおりだと思って嬉しかった。僕は本の作り方のお作法なんてどうでもいい。本というのはかくあるべしという伝統なんて知りもしない。
箕輪さんは、本というより、「リアリティショー的なもの」を売っているのです。
情熱は伝わってくるのだけれど、伝えたいものが何なのか、僕にはよくわからない。
いままでの本というメディアに慣れ親しんだ人(僕もそうです)にとっては、物足りないというか、同じような話を隙間だらけの本にして稼いでいるようにみえるのだけれど、そういうものを華麗に売りさばく箕輪さんの人生そのものがコンテンツなんですよね。
それが良いとか悪いとかいうのではなく「それが今の世の中なのだ」ということを知ることができる本だと思います。
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