琥珀色の戯言

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【映画感想】スカイスクレイパー ☆☆☆☆

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香港・ビクトリア湾の一角に立つ、高さ約1,000メートルを誇る250階建ての超高層ビル、ザ・パール。以前FBIの人質救出チームの隊長だったが、ある事件で片足をなくした過去を持つウィル(ドウェイン・ジョンソン)は、ビルの安全管理システムを分析するよう依頼される。


skyscraper-movie.jp


2018年、映画館での28作目。
公開初週の週末のレイトショーで、観客は50人くらいでした。



 「パパ、跳びまーす!」でおなじみの(?)スカイスクレイパー
 スカイスクレイパーといえば、僕は、プリンセス・プリンセスの『ダイアモンド』を思い出さずにはいられません。
 あの曲で、スカイスクレイパー超高層ビル,摩天楼というのを覚えた人は多いのではないでしょうか。
 いやまあ、平成生まれ組からすれば、「そもそも、プリンセス・プリンセスって何?」って感じなのかもしれませんが。


 予告編を観た時点で、「これ、『ダイ・ハード』じゃない?」というのが、僕の頭に浮かんできたのです。
 でも、『ダイ・ハード』が公開されたのって、1988年なんですよね。
 30年も経っているのか……
 となると、パクリ云々というのもさすがに時効か。
 そもそも、『ダイ・ハード』そのものも、そんなに斬新なわけではない、ひとり対多数の救出ものだったわけですし。

 今回、これを観に行ったのは、ようやく仕事が終わった週末の夜であんまり混雑するのはイヤだし、長いのも辛い。人生について深く語られるような重い映画よりも、パッと観て、あんまり引きずらないほうがいい。

 というわけで、上映時間は110分を切っており、人生訓的なものもアピールしていなさそうな、この映画を選んだんですよね。
 うん、これはまさに、そのニーズにぴったり合致した映画だと思います。
 なんか理由はよくわからないまま、とにかく酷い目にあわされまくる主人公のウィル。
 しかしながら、彼は超人的な能力で、炎上する世界で最も高い高層ビルに立ち向かっていくのです。

 ウィルさん、安全管理システムの調査員をやる前に『SASUKE』に出演したほうがいいよ絶対!
 僕はこの映画をみながら、そう心の中でつぶやいていました。
 フィクションなんだけど、特撮なんだけど、高層ビルの現実感がないほど高すぎる場所で『クレイジークライマー』をやっているウィルをみていると、高いところが苦手で、懸垂もできない僕は、手に汗をにぎりっぱなしでした。

 とはいえ、結局のところ、このビル、規模のわりには警備や安全対策が杜撰すぎるし、この映画そのものも「悪いやつらがここまでのことをする理由」が、いまひとつスッキリしないのです。
 もっとマシな方法がありそうなものだけれど。
 どんな「隠された動機」があるのかと期待していたら……だものなあ。
 正直、犯人側にあんまり魅力がないんですよね。
 
 世界最高の高さのビルの映像表現はけっこう凄いなあ、と思います。
 そして、大勢の人が逃げまどうパニックムービーにしなかったことで、わかりやすくなり、ストーリーが散漫にならずにすんで、正解だったのではないかと。
 自分が生き延びることと、他者の命を救うことのせめぎあい、について、けっこう考えさせられます(とくに序盤)。
 主人公のウィルは義足だし、ビルの所有者は中国系だし、「世界で最も高いビル」が建設される場所が香港だというのも、時代の変化を感じます。
 
 こうして文章にしていまうと、魅力が伝わりにくい映画ではありますが、なんというか「気分転換に、そんなに長くなくて後味の良いアクション映画を観たい」というニーズを過不足なく満たしてくれる佳作だと思います。
 いやほんと、ありきたりのストーリーの舞台を超高層ビルに変えただけですし、その超高層ビルを設定として活かしているとも言えないのだけれど、やっぱり長く観客に支持されてきたフォーマットというのは侮れません。

 というか、こういう映画の感想を書いていると、われながら水増し感がすごいな……


 超高層ビルが舞台の『ダイ・ハード』です。気分転換に高層ビルが大炎上するところを観たい人にはオススメ!(こうして言葉にしてみれば、悪趣味ですね……)


 ここまで「普通に面白い」映画って、それはそれで貴重かもしれません。


スカイスクレイパー

スカイスクレイパー

DIAMONDS (ダイアモンド)

DIAMONDS (ダイアモンド)

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