琥珀色の戯言

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【映画感想】インディ・ジョーンズと運命のダイヤル ☆☆☆

考古学者で冒険家のインディが、人間の想像を超える力を持つといわれている秘宝「運命のダイヤル」を追う。ところが、そんな彼の前に、同じくその宝を狙う元ナチスの科学者・フォラーが立ちはだかる。


www.disney.co.jp


2023年映画館での鑑賞12作目。 休日の朝からの上映で、観客は20人くらい。もう朝1回上映になっていて、寝過ごしたらもう配信でいいかな、と思っていたら結構早く目が覚めました。起きなきゃ!と思うとなかなか寝付けないこともあるのだよなあ。

公式サイトに「インディ最後の冒険は映画館で!」と書かれています。
それを読んで、「これが最後なら、見届けなければ。ハリソン・フォードも、もう81歳だし」と思った人は観ておいて損はしないのではなかろうか。
逆に、「インディ・ジョーンズって有名な映画だよね、はじめて観るんだけど」という人には、ちょっと薦めにくい。
わざわざ高齢の動けない俳優を起用して、ぬるいアクション映画を作るなよ、というのも、真っ当な「評価」だと思います。
当たり前のことなんですが、81歳でここまでやれるハリソン・フォードさん頑張っているなあ!と、思えるかどうか、ですよね。

これまで、若い俳優さんにインディ・ジョーンズを継がせて、シリーズを活性化しようという試みもあったのですが、うまくいかず、結局のところ、これはハリソン・フォードジョン・ウィリアムズ(音楽)の映画だということなのでしょう。

スター・ウォーズ』のハン=ソロでブレイクし、「ルーカスとスピルバーグが手を組んだ!」と話題になった『インディ・ジョーンズ』のハリソン・フォードを観てきた僕は、まだ頑張っているんだなあ、でもあんまり無理しないでね。
と、アクションというより、ハリソン・フォードの身体を心配しながら観ていました。
それと同時に「『インディ・ジョーンズ』って、話題性とキャッチーなテーマ曲、大きな石が転がってくるシーンは記憶に残っているけれど、僕はそんなに面白いとは感じなかったんだよなあ」というのも思い出していたのです。

この『運命のダイヤル』って、なんかよくわからない、ボロい機械をみんなが崇め、なぜそんなことができるのか理解できないような事象が起こり、例のごとく「ナチスの残党」が敵という支離滅裂なストーリー。宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』は、「よくわからないけれど、これは何か深い意味があるのだろう、と観客側が深読みしてしまう物語」なのですが、この『運命のダイヤル』は、2023年に『インディ・ジョーンズ』っぽい物語を作ろうとして、高齢者の幻覚妄想を映像化したようになり、観客も苦笑せざるを得ない薄っぺらい物語になっています。そういう時代設定ではあるのですが、コンピュータ担当のキャラクターが出てこないアクション映画を観たのは、けっこう久しぶりかも。

僕はこれを観ながら映画『ダ・ヴィンチ・コード』を思い出していたのですが、予備知識無しで観れば、『ダ・ヴィンチ・コード』のほうが新しくつくられた作品だと考えそうです。
こちらのほうが、お金はかかっているはずなのに。

うーむ、全然褒めてないな……
上映時間が2時間半あって、観ている途中はやたらと長く感じるのに、終わってみると、「ハリソン・フォードが鉄道と船で暴れて、アルキメデスが出てくる話」だとしか思い出せないし。

正直、感想も書きづらい。もともとアクション映画は感想を書きづらい、というのはあるのだけれど、この映画は「でも、ハリソン・フォードは頑張っていたからなあ」と、ボロクソ書くのは忍びない気分にはなります。
「これが『インディ・ジョーンズ』なのか?」というのと、「ハリソン・フォードがあの帽子をかぶって出てきて、ジョン・ウイリアムズのテーマ曲が流れれば、それが『インディ・ジョーンズ』なんだよ!」というのと。

正直、長いし、あんまり面白くないんですけど(ストーリーも各人の行動もムチャクチャだし)、そういう残念なデキなだけに「僕は見届けたからね!人には薦めないけど!」という妙な満足感はありました。
さらに続編を期待してしまうようなデキだと、困るじゃないですか、お互いに。

まあでも、いろんな意味で、よく公開するところまでたどり着いたよね。
今の世の中では、かえって「映画館で映画を観ることにこだわる世代に刺さる映画」なのかもしれません。

そういえば、ケビン・コスナー、いま、どうしているのだろうか(このあとWikipediaで調べました)。


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