あらすじ
人類とトランスフォーマーが反目し合い、オプティマス・プライムが姿を消してしまう中、地球の存亡を左右する危機が到来。事態を収束すべく、発明家ケイド・イェーガー(マーク・ウォールバーグ)、オプティマスの後を継いでオートボットを率いるバンブルビー、謎多き貴族の老人(アンソニー・ホプキンス)、オックスフォード大学の教授(ローラ・ハドック)によるチームが結成される。
2017年の映画館での22作目。お盆前から公開されていて、もうそろそろ終わるかな、という時期になってしまいました。夕方からの回で、観客は20人くらい。
今作は、ネットでの評判も今ひとつだったので、今作はDVDでも良いかな、とも思っていたのですが、このシリーズはずっと映画館で観てきていますし、上映時間的にもちょうど良かったのです。
冒頭、『アーサー王物語』がはじまって、しかもけっこう長かったので、「これ、間違えて他のシアターに入ってしまったのかな?」と心配になりました。
いやしかし、今作は『アーサー王物語』をモチーフにしているとはいえ、この劇中劇にここまでお金を使ってもいいのか?とも思ったんですよね。これなら、このまま『キング・アーサー』をつくってしまったほうが、良かったんじゃないか、とか。
『トランスフォーマー』シリーズは、相変わらず、すごい映像なんだけれど、観客というのはすぐに慣れてしまうものなので、もう変形シーンでは驚かなくなっているんですよね。
これまでは、どんどん変形シーンが素早く描かれるようになっていて、どんな変化が起こっているのかわからないくらいだったのですが、今作では少しゆっくりめに変形するようになって、途中経過が見やすくなりました。
今回は、オートボットたちが活躍しているシーンは、150分もの上映時間のわりには少なめの印象です。つくっている側も、「変形するだけでは、セールスポイントにならない」という意識があったのだろうか。
それでも、この映画で人間たちばかりが出ていると、「『トランスフォーマー』だろ?もうちょっとオートボットを出してくれよ、なんだこの冗長な、偽『ダ・ヴィンチ・コード』みたいなパートは、そもそも長い、長いよこれ……」と言いたくなってしまうのです。
物語中盤の「謎解きシークエンス」は、けっこう眠かった……
ヒロインは、最初「誰これ?」って感じで、彼女が選ばれた理由がわかると「何その強引な設定……」と苦笑してしまいます。
トランスフォーマーも、いつものオートボットたちが味方、メガトロンと創造主が敵、というのはわかるのだけれど、残りのどれが敵で、どれが味方なのか、正直よくわからなかった……肝心のオプティマス・プライムが、「えっ、そんなにあっさり裏切って、そんなにあっさり説得されちゃうの?」という変わり身の早さで、それはそれで「わかりやすすぎるだろ……」と。
人類側も、何がやりたいのかわからない人たちが多すぎです。
うーん、子ども騙しだよなあ、と思いかけて、この映画は、まさにその「子どもたちを気持ち良く騙すための作品」だということを思い出しました。
うわー、オプティマスが敵に……?
よかった!オプティマスが戻ってきた!
オートボットたちが活躍して、かっこいいメカがスムースに変形して、人類が滅亡せずになんとなかなって、「なんじゃこりゃ!」って言いながらも、2時間半くらい浮世を忘れられれば、それで良いんですよね、『トランスフォーマー』。
むしろ、「そういう映画がいい」という人は、けっこういるんじゃないかな。
シリーズものって、こんなもんだよね、というか、お約束の気安さ、みたいなものが感じられるシリーズにもなってきましたよね、これ。
ものすごくお金をかけて、これだけ「観客に説教しない映画」というのも、珍しい。
何年かに一度くらいの新作であれば、次回作を観るときには、前のはほぼ忘れてるし。
個人的には、第一作以外は、いきなりみせられると何作目か当てられる自信がまったくありません。
次回作が公開される頃には、もう今作のことはすっかり忘れていて、また映画館に行くんだろうなあ。
それにしても、今回のオプティマス・プライムは、節操なさすぎ!
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