琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

上司は思いつきでモノを言う(こともある)

「じゃあ、血液培養とっといて、1日2回、今日と明日!」
「治験に参加してもらうから、説明して同意書とっといて」
「あの負荷試験、データ集めてるから患者さんに説明して検査しといて」

…確かに「長い目でみれば、それが患者さんのメリットになるんだ!」と言われては、「そんなことはないです!」と言い返すほどの自信も実力もないのだけれど、こういう「○○しといて」と気軽に下の人間に命令するタイプの上の先生は、けっして少なくはないのだ。
最初のケースでいえば、血液培養に出すためには、けっこうな量の血液を清潔操作で患者さんから摂らせていただかなければならないし(しかも、そういうときにかぎって、採血が難しいことが多い)、「患者さんに説明しといて」と言うのは5秒くらいのものだが、現実に説明するとなると、30分とか1時間とか平気でかかってしまうのだ。

たぶんね、偉くなる人というのは、そういうのを「数字」として割り切って、部下がそのデータをとるひとつひとつのプロセスなんて、意識することはないタイプなのだと思う。いちいちその「ひとつひとつの苦労」について考え込んでいては、論文にできるような数のnなんて、集められないだろう。

なんだかね、そういう「医学の進歩」なんてお題目を唱えれば唱えるほど、虚しくなってくるときが、最近よくあるのだ。「医学」ってなんだよ!って。

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