琥珀色の戯言

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連載企画〜僕の中のダービーの記憶<3>

平成10年:優勝馬・スペシャルウイーク

http://keiba.yahoo.co.jp/derby/story/10.html

 この年の牡馬クラシック戦線は、スペシャルウイーク、キングヘイローの2強と言われていたのだが、皐月賞ではセイウンスカイが逃げ切り、キングヘイローが2着。圧倒的1番人気であったスペシャルウイークは追い込み届かず3着となって、ダービーを迎えた。
 「距離が伸びていい」と言われていたスペシャルウイークだが、皐月賞のレースを観て、所詮こんなものか、というイメージが僕にあったのも事実で、結局本命はキングヘイローにしてしまった。父はダンシングブレーヴ、母はグッバイヘイローという、まさに歴史的名馬を両親に持つこの馬に、府中の2400mはふさわしいように思えたのだ。

 しかし、レースがスタートして、僕の目は点になった。いや、たぶん同じターフビジョンを観ていた人たちは、みんな愕然としたのではないか。
 「なんと、逃げているのはキングヘイロー!!これでいいのか、福永祐一!!」
 いいわけないじゃん……と突っ込みを入れていたのはもちろんなのだが、その一方で、これは素晴らしい作戦なのではないか、という一縷の望みを抱えながら競馬者というのはレースを観続けるわけだ。というか、頭を上げて、いかにも所在なさそうな感じで逃げてたし、ダービーの舞台で人気馬がいきなりやる作戦じゃないだろう、いくらなんでも。
 …結果は、直線の入り口で早くも手ごたえが怪しくなったキングヘイローは大惨敗。一方のスペシャルウイークは、直線で力強く抜け出して、武豊に待望のダービー制覇をもたらした。「武豊はダービー勝てない伝説」もあっさりと終焉を迎えたわけだ。
 しかし、このレースも2着にボールドエンペラーという14番人気の穴馬を連れてきて、なんとなくスタンドは静まり返っていた。そりゃね、馬券外れたら、ちょっと盛り上がりにくいし、人気のキングヘイローがアレじゃあねえ……
 それにしてもこのスペシャルウイークは人騒がせな名馬で、この後も京都大賞典で謎の大惨敗のあとステイゴールドを連れて天皇賞秋で万馬券とか、ジャパンカップで人気に応えたと思ったら、2着は人気薄の香港馬とか、そんな記憶が強く残っている。

 キングヘイローのこの後の戦績を考えると(有馬記念4着とかはあるけど)、府中の2400mは明らかに長かったのだろうけど、それにしてもあの福永祐一の騎乗は、僕の中に「福永祐一はヘタクソ」というイメージを長く残している。
 しかし、考えてみれば、あの経験がダイワエルシエーロに生かされたのかもしれないなあ。いまさら気が付いてもあとの祭りなのだけど。

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