琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

THE 有頂天ホテル

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 ずっと観たい観たいと言っていたのですが、昨日、ようやく観ることができました。
観終わった感想としては、やっぱり三谷幸喜さんは上手いなあ、そして、よくできた、楽し い映画だなあ、というところでしょうか。
すべてのキャストをアテ書きしたのかどうかはわかりませんが、これだけ多くの主役級の人たちが出演して、さらにみんなそれぞれ見せ場があるというのは、ものすごいことだと思います。出演者のうちの誰のファンにとっても、面白がれるポイントがちゃんとあるんですよね。そして、この映画のもうひとつ凄いところは、出演している人たちが、みんな楽しそうなんですよ。ヘラヘラして演じているとかそういうわけじゃなくて、それぞれの役者さんが、自分の演じている人物に自信というか愛着がすごく伝わってくるのです。「こいつは面白いヤツなんだ」って。コメディでも、こういう映画って僕は観たことありません。
 ただ、難を言えば、長い、ほんのちょっと長い。本来三谷さんは、【上映時間を作品内の時間経過と同じ、ちょうど2時間にしかった】そうなのですが、結局、2時間20分くらいの作品になってしまっているのです。最後のほうで、つまらないとは思っていないつもりなのに、ちょっとだけ欠伸が出たのは、寝不足のせいだけではないみたいです。やっぱり、この全体的にほのぼのムードで起伏に乏しいドラマを2時間観ていると、ちょっとテンポに飽きてしまうところもあるのかな、と。同行者も「ちょっと長いかな」って言ってたし。予定通り、「ちょうど2時間」だったら、本当に完璧な映画になったような気がするんですが、この作品にこれ以上カットできるようなエピソードはなさそうでもあるので(1つカットすると、全体のバランスも崩れてしまうし、出演者への配慮というのもあるのでしょう)、ひょっとしたら、結果的には脚本の段階で、1エピソード多かったのかもしれませんね。
 でもほんと、そんな大事件が起こるわけでもなく、ものすごくドラマチックでもないんだけれど、心から楽しめる良作です。僕がいつも行っている田舎の映画館で、これだけ「声を出して笑ってもいい雰囲気」になった映画は、観たことありません。そういう空気感を体験するためだけにでも、映画館で観てもらいたいなあ。
 あと、戸田恵子さんには心底萌えました。素晴らしい狂言回しだったと思います。

 以下、例のごとくネタバレ感想(観てない人は読まないでね)
 いや、率直なところ、もうちょっとドラマチックな作品なのかな、という予想もしていたんですよ。「カウントダウンパーティで、何かが起こる!」って言うので、もっと劇的に、みんなの運命が転換するとか、すごく美しい映像が観られるとか。でも、なんというか、多くの登場人物にとっては、そんなに大きな転換点でもなかったんですよね。ただ、YOUさんの歌はものすごく上手くって、あの役にキャスティングされた理由が、あそこで「なるほど!」というふうにわかるわけなんですよね。しかしまあ、「うーん、これだけ長い間引っ張られた割には、意外と普通のエンディングだなあ」とは思ったのも事実です。それでも、心地良いエンディングではあったのだけれど。確かにあの役ができる人は、そんなにいないだろうなあ、と。それと、僕が観た回でいちばんウケていたのは、前妻にいいところを見せようとして嘘を並べ立てて追い込まれていく役所さんのところでした。
 あと、石井さんが「ホテル探偵」だったり、役所さんが元「舞台監督」だったりするのは、三谷フリークとしては思わずニヤリとさせられます。こういう「隠しネタ」ってまだまだたくさん仕込まれていそうなので、DVDでは、是非確認しておきたいことろです。
 そうそう、西村雅彦さんは、この作品に出ていないということは(隠れキャラとしても、出てませんよね?)、やっぱり、三谷さんと不仲なのかなあ、とちょっと感じました。

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