琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

DTM MAGAZINE

http://www.dtmm.co.jp/backnumber/0602/

本屋で偶然見つけて購入。↑のサイトには、あの伝説の高橋名人の「16連射」のムービーが公開されています。「あの16連射は嘘で、バネが入っている」という理由で名人が警察に捕まったという噂も当時は流れていたものです。いや、今から考えると、いくらなんでもそれで逮捕されることはなさそうですが。
音楽的センスが欠落している僕としては、DTM(=デスクトップ・ミュージック)の技術的なところはよくわからないのですが、ゲームミュージックの大スターたちが勢揃いしていてとても楽しめました(でも、ファミコン音楽以外のページは、本当に全然わかりませんでした……)

この特集のなかで、印象に残った記事・フレーズの抜粋をしておきます(雑誌に載っているものは、もっと長いインタビューです)

高橋利幸高橋名人
ファミコン当時、音楽はオマケ程度でした。何よりも優先して容量を削られるところだったんですよ」

すぎやまこういち(『ドラゴンクエスト』シリーズ)
「『ドラゴンクエストⅠ』の全曲を超スピード(約1週間)で創りました。というのも、実は、音楽を含めすべてできあがっていた『ドラゴンクエストⅠ』を千田プロデューサーの判断で、全曲作り直すことになったからです。この時点で、すでにマスターアップの締め切りは過ぎていました。こんな件がなければ、僕とドラクエの縁はなかったでしょうね」

植松伸夫(『ファイナルファンタジー』)
「”3音だけしか使えない”という制約があったからこそ、いろいろな工夫のしがいがあった音楽です。音数が少ない曲って、ちゃんと作り込まないと、アラが見えちゃうんですよね。例えば、現在の音源ならは、迫力ある音も簡単に入れられますが、ファミコン矩形波しかないから、そういうギミックに頼れない。つまり、メロディやアレンジの力だけですべてを演出しなければならなかったんです」

遠藤雅伸(『ゼビウス』)

インタビュアー:”ファミコン・サウンドの魅力”とは?
遠藤:PSG音源の持つ特殊なチープ感、そして、郷愁でしょうかね。ファミコンの音源チップは、”80年代”という時代の空気さえも含んでいるので、いまの技術で同じ音を再現しようとしても、まったく同じものにはならないんです。

近藤浩治(『スーパーマリオブラザーズ』『ゼルダの伝説』)
ファミコン時代の音楽制作は、まさにDTMのはしりと言えますが、今のように自由に音楽制作できるわけではなく、常にメモリとの戦いでした。音符データの工夫や、プログラム技術、最終的には1曲の中の音符の数を減らすなど、曲作りにも影響しました。

古代祐三(『イース』『ソーサリアン』)

インタビュアー:音楽が印象的なソフトを教えてください。
古代:僕がゲーム音楽に目覚めるキッカケとなったソフトが3本あるんです。ナムコドルアーガの塔』、コナミグラディウス』、セガスペースハリアー』。この3本は、本当に大好きです。特に、コナミのソフトを買う動機の半分は、”音楽聴きたさ”でした(笑)。

いやほんと、「ファミコンの音楽」というのは、まさに「僕たちの80年代のBGM」だったのかもしれません。制約が多いからこそ、そこには意外は驚きや感動もあったわけで。現在の「普通の音楽が流れるゲーム」というのは、逆に、面白みがなくなってしまっているような気がしてなりません。だからといって、PSG時代に戻れるってものでもないだろうし…
まあ、こういうのは、遠藤さんが仰っておられるように「郷愁」でしかないのかもしれないけれど。

ちなみに、ファミコンの音源というのは、

音階の演奏ができるモノフォニック(単音)のパートが3つと、ノイズのみが演奏できるパートが1つ、の計4パート/4ボイスという構成

なのだそうです。本当に少ないような気がしますが、すぎやまこういち先生は、FFの植松さんの「3音だけってのは、やりにくいですよね」という問いに、

音楽なんて2音で充分。ドラクエは2音で作ってるよ。残りの1音は効果音に使ってる。

と答えられたそうです。

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