琥珀色の戯言

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紀伊国屋書店福岡天神店が撤退

http://www.asahi.com/business/update/1212/050.html

 この紀伊国屋の福岡天神店は、中学校くらいから大学くらいまでずっと、僕が福岡に行けば必ず立ち寄る場所(というか、ここに行くことが目的のことも多かった)なので、閉店はとても寂しいです。ずっと田舎者だった僕にとって、あれほど専門書とかマニアックな本がズラッと並んでいる本屋をみたのは初めてだったし、『ログイン』とかで紹介されていた海外SFとかも、ここに来れば大概手に入れることができましたし。まあ、実際には読んでみたら難しすぎてついていけず、なんてことも少なくなかったのですが。
 今年(2007年)の3月末までに撤退ということで、閉店前に一度は行っておこうと思い、先日久々に行ってみたのですが、けっこうお客さんもいたし、店内には「閉店予告」など何も書かれていませんでした。それでも、なんとなく寂寥感が漂っていたのは、僕が先入観のせいだったのでしょうか。往時のような「エスカレーターを上がっていくと入り口のところに英語かなんかの教材を売る人が待ち構えている」というような不快な状況はなかったのですが(考えようによっては、「それほどの価値もこの店にはなくなってしまったのかもしれませんが)、新興の「ジュンク堂」などに比べると、レジの数が少なく、店員さんにも元気がなく、本の配置も雑然としているような印象を受けて、僕にとってはずっと大好きな書店だっただけに、なんだかとても寂しかったです。寂しかったのだけれども、その一方で、「やっぱりジュンク堂のほうが買いやすいよな……」と再確認してしまったのも事実なのです。天神コアの6階まで上がっていく途中で、オシャレなお姉さんたちに曝されるのも、けっこう疲れるしね。あのビルのお客って、「紀伊国屋目的」の人と「その他の服とかを買いにきた人」とでは、明らかに雰囲気が違っていたものなあ。
 でもほんと、あの紀伊国屋が「書店戦争」で負けちゃう日が来るなんて、20年前の僕には予想もできませんでした。まあ、確かに天神地区の大規模書店は、どうみても出店過剰だものなあ。品揃えの違いも実感しにくいし……

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