- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/04/18
- メディア: 雑誌
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「結婚」は必要か!
という特集記事に魅かれて購入。まあ、一通り記事を読んでの感想は、現状の「結婚制度」の問題点はみんなわかっているのだけれども、「じゃあ、今の日本において、どうするのがいちばん最大公約数的な『正解』なのか?」という点については、みんな態度を保留せざるをえない状況なのだな、というものでした。「結婚式なんて形式には意味がない!」という信念と「結婚式は大勢人を呼んで豪華にやらなくちゃイヤ!」というこだわりは、対極ではなく、けっこう近いところにあるのではないかな、とも感じましたし。「こだわっている」「とらわれている」という点では、どちらも同じなんですよね。「昔の家族関係の復活を!」なんて言われても、そんなことできないのはみんなわかっているはず。「昔の結婚には妥協があった」って言われてもねえ……
星新一さんが書かれた『最後の地球人』というショートショートのように、なんとなく、少しずつ子どもが減っていって、ゆるやかに人類は滅んでいくのかな、とか考えてみたりもするのです。
この号のなかで、印象深かったものをいくつか挙げておきます。
『ゴーマニズム宣言・第27章』の枠外の小林よしのりさんのコメント
結婚は同じような育ちの者、同じような階級の者同士でなければ合わない。紀香もあのお笑い芸人と同じ階級だ。だから安心できるのだろう。宮台真司が結局、事実婚ではうまくいかず、援助交際やるような家庭の娘でもなく、学者の娘と結婚したことは、階級結婚の実例としてしばしば業界の噂になっている。
「漂流する『日本人の結婚』という制度」という討論会での文芸評論家・富岡幸一郎さんの発言より。
ヨーロッパの場合は婚約期間を大事にしていて、2人が一緒になることを周囲に承認してもらうために、婚約を発表してから結婚式まで少し時間を置く。そして結婚式では、牧師が形式的にですが「この結婚に異議のある人はこの場で申し出てください」と言うんです。「神が結び合わせてくださったものを人は離してはならない」(マタイ伝19章)という聖句を読んで、後になってから「あの結婚には反対だった」などと言ってはいけないんですね。だから、周囲の家族や親戚のなかにも、2人を祝福して支えていこうというファミリーとしての共同意識がある。もっとも、今はヨーロッパでもそういうものが崩れてきてはいますけど。
僕もつい最近チャペルでキリスト教式の結婚式を挙げたのですが、この「神が結び合わせてくださったものを人は離してはならない」というフレーズを聴いていて、なんだかすごくジーンとしてしまったのをよく覚えています。僕はとくに信仰している宗教があるわけではないのですけど。
ところで、その前の「この結婚に異議のある人は……」の件なのですが、どうもこの言葉を耳にすると「異議あり!」ってルパン三世が登場しそうな気がしてついついニヤニヤしてしまうので困ります。『カリオストロの城』の影響力ってすごい。