琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

「はてなブックマークのコメント一覧非表示機能」への現時点での雑感

はてなブックマークのコメント一覧非表示機能について - はてなブックマーク日記 - 機能変更、お知らせなど

はてなブックマークでは任意のサイトをブックマークする、ブックマークした際にコメントを付与することは基本的にウェブの活動の範囲内であり、ブックマークサービス利用者の自由であると考えております。

一方、これまではブックマークのコメント一覧はサイトの作者様の意志に関わらず公開されるものでしたが、このとき、サイト作者様の意向によってはコメントを非表示としたい場合もあると考えています。

ブックマーク/コメントの自由は維持しながら、サイトの作者様の意思によりブックマーク/コメント一覧を非表示にできるよう、本機能の追加を行いました。

本機能をご利用いただくにあたっては、以下の点にご注意ください。

・「エントリーページのブックマーク/コメント一覧」のみが非表示である点にご注意ください。(ブックマークやコメントが不可能となるわけではありません。) そのブックマークしたユーザーのページを直接閲覧する、お気に入り機能経由でこれまでと変わらずブックマークやコメントの閲覧は可能です。
・meta タグが設定されたページのみがコメント非表示となります。有効範囲がサイト全体ではない点にご注意ください。そのサイト全体をコメント非表示としたい場合は、全ページに meta タグを追加してください。
・現状の仕様では、コメントを非表示とするかどうかの判断はそのページが初めてブックマークされた時にのみ行っております。一度ブックマークが寄せられたページを途中からコメント非表示とする機能は現状はサポートしておりません。

 この「コメント一覧非表示機能」についての現時点での雑感。
 基本的には、こういう選択肢ができたことは、非常に歓迎すべきことだと思うし、これまでの「はてな」の姿勢からすれば、飛躍的に「ブログを書いている人の側を向いた」改良でしょう。

 僕のブックマークする側、そして、される側としてのいままでの経験から考えると、あの「エントリーページのブックマーク/コメント一覧」っていうのはすごく便利で、ある程度以上(50、あるいは30くらいかな)の数が集まると、それだけで、そのエントリに対する「はてな界隈での空気感」みたいなものを象徴してしまうように感じられるのです。
 アクセス解析を参照すると、「エントリーページのブックマーク/コメント一覧」経由で元のエントリを読みにくる人ってけっこう多いんだよね。
 「ホットエントリ」から、面白そう、あるいはブックマークコメントが多いエントリを選び、まずコメントを読んで興味がわいたら元のエントリを読む、という流れ。
 そのことそのものは、けっして悪いことではないのだけれど、ブックマークコメントで、ある種の先入観を抱いた状態で元のエントリを読む人が多くなったり、いわゆる「炎上」しそうなエントリを好んで読む人たちが存在しているように思われます。
 そういう「炎上させたい人たち」にとって、「みんなと一緒にエントリを叩く楽しみ」を低下させるこの機能は、非常に効果的なのではないかと。
 「一覧非表示」であれば、コメント一覧での「ネガコメ大喜利」(スター=座布団)みたいなものも減るはずです。
 いろいろ「抜け道」が指摘されてはいるけれど、少なくとも、「敷居が上がる」「多くの人に見られにくくなる」というだけで、かなりの効果は期待できるんじゃないかな。
 ネット上の大部分の人は、「ちょっとでも面倒なこと」は敬遠してしまうから。


 しかし、この「はてな」からのリリースを読んでいると、「はてな」にとっては、これはまさに「苦渋の選択」だったのだな、ということがよくわかります。「はてな」のサービスのなかでも多くの利用者を持つサービスのひとつなだけに、慎重になるのも理解できるんですけどね。
 今回「非表示」にできるのは、あくまでも「コメント一覧」のみ(つまり、個々のコメントは、つけた人はもちろん、その人を「お気に入り」に入れている人なども見られるわけです)、「meta タグが設定されたページのみがコメント非表示」という、ネット初心者にとってはかなり「敷居が高い」方法(多くの人が指摘しているように「ブックマーク一覧を拒否」したいのは、ネットでの誹謗中傷に不慣れな初心者の割合が高いはず)、そして、「そのエントリが『ブックマーク一覧を拒否』するのかどうかは、ネットに最初にアップした時点に決めておいてくれ、その後の変更は認めない」という姿勢。
 最後の点に関しては、「エントリを書いた人が、いつでも好きに『コメント一覧の表示/非表示』を選択できる」ようなシステムって、そんなに難しいことじゃないと思うのですよ。少なくとも、「はてなダイアリー」で書かれているエントリについては、「ボタンひとつで表示/非表示」を切り替えることは可能なのではないかと。実際、書き手にとっては、そのほうが「便利」ですよね。「これは危険なエントリだ」と思ってアップしたら意外とブックマークコメントでの反応が興味深かったり好意的だったりして、「これならみんなに見てもらいたいというケースはたくさんありそうです。
 これはあくまでも僕個人の感覚なのですが、「はてな」の人たちは、「ブックマーク狙い」の記事、「上から目線の弱者バッシング」には厳しいけれど、書いた側が「こんなこと書いたら叩かれるかな……と思いながらも書かずにいられなかった『心の叫び』的なエントリには、けっこう優しかったりするのです。
 にもかかわらず、「はてな」は、「著者にその選択権を与えるのは、一度アップする瞬間まで」だと現時点では設定しています。厳しいよね本当に。『捨て身』で書くなら、それを公開する時点で覚悟を見せろ、と。
 「ああ、「本当は『ネットの自由』のために、こんな機能はつけたくないんだよ俺たち」という「はてな」の人たちの本音が聞こえてくるようだ……

 まあ、厭々ながらでも、こういう対応をしてくれたのは素晴らしいことなんですけどね。


 しかし、書く側からすると、この機能に関して言えば、ありがたいのと同時に、ちょっと怖いところもあります。
 ひとつは、こういう「対応策」がアナウンスされると、「それでも『ブックマーク一覧表示』を回避しない」という行為に大して、書き手がそういう「選択」をしたのだ、つまり「悪口言われたくなければ、metaタグ入れとけばいいじゃん」という主張をする人が出てくる、という可能性があるのです。
 そして、「一覧に非表示だから(多くの人の目に触れにくいから)、何を書いてもいいんだろ?」という考えを持つ人が出てくるのではないか、という不安もあります。あるエントリに対する「ブックマークコメント」は、その数が増えれば増えるほど、アクセス解析などで本人が目にする機会が多くなりますが、「多くのコメントの中に埋没していたネガティブコメント」が、「ひとりの人間の意見」として突き刺さってくることもあるかもしれないのです。
 100個のコメントのなかに、50個悪口があってもそんなに効かないけど、1通の短いメールが心に刺さる、そんな夜もある。
 
 僕の予想では、企業はさておき、個人のブログ・ダイアリーでこの機能を使う人は、ほとんどいないのではないかと。
 「ブログを多くの人に読んでもらう」ための手段としては、「ブックマークを集める」というのは、けっこう有効な手段なんですよね。そして、多くのブックマークを集めるブロガーというのは、エントリを書きながら、「このエントリには異論・反論のコメントがつく」ことを想定しているのだと思うのです。むしろ「狙っている」「釣っている」ようにみえることもしばしば。極論すれば、「ネガコメだって1ブックマーク」、そのくらいじゃないとアルファブロガーはやっていけないのではないでしょうか。
 書いている側としては、「コメントが肯定3割、否定7割くらいなら、世間一般としては『理解されているほう』だと考えるべきだと思います、実感として。
 結局のところ、「ブックマークされることの怖さを知らない人、そして、その怖さと同時にメリットも熟知している人は使わない(あるいは使えない)」システムなので、実際にはあまり使われない機能だとは思いますが(「ブックマークされることの怖さしか知らない人」っていうのは、かなり少数だろうし)、こういう機能ができたことには、はてなの「ブロガーへの歩み寄り」を感じて嬉しかったです。
 今後、「はてなダイアリーなら、エントリの著者の好きなときにコメント一覧をボタンひとつで表示したり非表示にしたりできます!」というシステムにしたら、「はてなもようやく大人になったなあ」とようやく安心して僕も「卒業」できるんですけどね。
 あと、個人的にもうひとつ愉しみにしているのが、いままで「コメントはエントリの著者への批判じゃなくて自分への備忘録」と言いながらせっせとネガコメ書いてたブックマーカーたちが、この「一覧非表示エントリ」に対して、ずっと今までと同じようなコメントを書き続けるのか?ということです。
 書き続けられるよね、純粋な「備忘録」ならば。


 この機能、僕も使ってみようと思います。たぶん、普段づかいのカードとして。……もう一回!(と、蒼井優さんが出ているイオンカードのCMを観たことがない人には何だかわからないことを書きながら退場)

アクセスカウンター