琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

銀河鉄道999 ☆☆☆☆☆


銀河鉄道999 [DVD]

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松本零士の同名ヒット作を原作に、TVアニメ化に続いて1979年に製作・公開された、アニメブームの中心ともいえる劇場用長編アニメーション。
母を殺した機械伯爵に復讐するため、そして永遠の命を手に入れるため、少年星野鉄郎は母に生き写しの謎の美女メーテルの協力を得て、遙か彼方のアンドロメダへと旅立つ。その先々に立ち寄る惑星で体験するさまざまな人間模様と出会いと別れ。やがて少年から大人へと成長していく姿を描くSFファンタジーアニメーションの傑作。キャプテン・ハーロックやエメラルダスといったキャラクターも登場し、各作品でしばしば語られるトチローの死も描かれ、松本零士の集大成的作品になっている。大ヒットを受けて1981年には続編『さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅- 』も制作された。(田中 元)

何年か前に購入したまま、一度も観ずに積んでいたDVDだったのですが、なんとなく観たくなったため鑑賞。
「ずっと観なかった理由」というのは、僕にとって『銀河鉄道999』という作品はあまりに思い入れが強すぎて、初見から30年近くたち、大人の目でみると失望しちゃうのが怖かったから、でもあったんですよね。
この映画がテレビで放映されたとき、録画を失敗して冒頭の30分が録れておらず、翌朝までものすごく落ち込んでいたことも思い出します。

今回も、「まあ、30分くらい観て、つまんなそうだったら止めよう、30年前のアニメだし……」などと予防線を張りつつ観はじめたのですが、これがもう予想外に面白かったので驚きました。いくら名作とはいっても、30年前の作品なのに……

いや、大人の目でみると、やっぱり「ご都合主義」みたいなところってけっこう目につきます。星野鉄郎をタイタンで助けてくれたおばさんが、偶然「戦士の銃」の持ち主だったり、機械伯爵の「時間城」の場所をエメラルダスに尋ねると、いきなり「次の停車駅のトレーダー分岐点(惑星ヘビーメルダー)に今度やってくることになっている」とか、ハーロックやエメラルダスが無敵キャラすぎるんじゃないか、とか。
でも、そういう部分やメーテルのやたらと説明的なセリフに内心ツッコミを入れながらも、「面白い」のですよ『銀河鉄道999』は。
あまりに「ダイジェスト版」すぎて、初めて観る人にとっては、「何このジェットコースタームービー」は?って感じなのではないかと思いますが、リアルタイムで漫画やテレビの『999』を観ていれば、まさに「名場面集」として楽しめます。クレアさんは、あれはちょっとないんじゃないか、という気はするし、車掌さんも映画版では文字通り「空気」なんだけどさ。

ちなみに、一緒に観ていた妻は、鉄郎との別れの場面でのメーテルの名セリフ

私は時の流れを旅する女……
あなたにとって私は、青春の幻影……

を聴いて、「モノローグならともかく、実際にこんな言葉を口にする女がいたら、すごく気持ち悪いよね〜」と全力でツッコミを入れていました。
いや、そうなんだけどさ、いいんだよメーテルならっ!!

ものすごく前時代的なドラマのようなイメージを持っていたのだけれど、「SLが宇宙を走る」というイメージの壮大さ、「永遠の命と限りある命」というテーマの確かさは、いま観ても全然古びていません。
むしろ、この世界観の素晴らしさにあらためて感動してしまいました。
よくこんな設定を思いついたよなあ、松本零士すごい!!

まあ、その松本さんがパチンコに版権を売りまくっていたり、著作権の有効期間のさらなる延長を訴えまくっていたりするという現実については、「なんだかなあ……」という気分にもなるんですけどね。
人間って、変わるものなんだな、と思うよ本当に。
機械の体になった人たちも、みんな最初は「永遠の命を持って、ずっと頑張る」つもりだったのかもしれない。

あと、この映画、音楽が素晴らしいです。壮大なんだけど、優しくて懐かしい。
そういえばこの映画のサントラLP持ってたような気がする。
エンディングのゴダイゴ銀河鉄道999』も感涙ものです。観ながら、「そうそうこのへんで鉄郎が線路を走り出すんだよな……」とか思い出してしまいました。
以前、裕木奈江さんがオールナイトニッポンをやっていたとき、「いちばん好きな曲」として、この『銀河鉄道999』をかけていたのを聴いて、「ああ、この人は僕と同世代なんだなあ」と感動したこともありました。

リアルタイムで観ていたときには、いろいろと不満もあったはずなのに、いま観ても充分鑑賞に耐える作品です。
これを観ると、またあらためて漫画やテレビ版を見直したくなりますね。この映画にはおさまりきれずに、こぼれ落ちたエピソードのことも、いろいろ思い出してしまうんだよなあ。


そうそう、今度ブルーレイ版が出るらしいですよ。

銀河鉄道999 [Blu-ray]

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