琥珀色の戯言

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日本人の知らない日本語2 ☆☆☆☆


日本人の知らない日本語2

日本人の知らない日本語2

内容紹介
お待たせしました!!大ベストセラー『日本人の知らない日本語』第二弾が登場です。
ファンも多かったルイ君(オタクのフランス人)、ジャックさん(日本語堪能)をはじめ、新キャラクターが大活躍。学生さんたちもパワーアップして、凪子先生も大忙し・・・。今日も日本語に関する珍問奇問に答えます!!思わず爆笑、そしてためになる日本語コミックエッセイです。

このシリーズ、「1」もなかなか面白かったのですが、ちょっと「ボリューム的に物足りない」感じがしたんですよね。
続編ということで、内容が薄くなっているのではないかと思いきや、今回は前作よりも「豆知識」の量は豊富かもしれません。
「爆笑」というほど笑えるってこともないのですが、「なるほどなあ」と感心できる「日本語のうんちく」満載です。
そして、「日本語にはけっこう詳しい日本人」だと自認していた僕は、すっかり恥ずかしくなってしまいました。

僕は「ら抜き言葉」が、ものすごく気になってしょうがなかったのですが、このエッセイのなかでは、「ら抜き言葉」について、こんなふうに解説されています。

「出る」⇒「出られる」、「着る」⇒「着られる」、「来る」⇒「来られる」など、「可能形」と「受身・尊敬形」が同じになってしまう動詞では、それだと混乱しやすいので、「区別するために『ら抜き』が生まれた」――と言われています。だから、日本語のエライ先生の中にも、「ら抜き」は日本語の乱れというよりも必然だから認めちゃってもいいと思う」という人もいて、一概に「ら抜きはダメ!!」とも言えず……現在では「話し言葉ならOK」だけど「書き言葉はNG」とされる場合が多いようです。

なるほど……「書く」の場合は、「可能系」が「書ける」、「受身・尊敬形」が「書かれる」、「する」の場合は、「できる」と「される」、というように、それぞれ違った言葉になるので、こういう場合には「ら抜き」のような変化は必要ないわけか……
こういうふうに言われてみると、「ら抜き」もひとつの言葉の進化なのかな、という気がしてきます。
やっぱり、いまの僕にとっては、まだ耳障りではあるんですけどね。

このエッセイには、こういう「日本語を生業としている人たちによる、最新の日本語に対する知識」がけっこう紹介されているのです。

あと、「忌み言葉」というのも、知っているつもりで、全然理解していませんでした。

(忌み言葉の例)
葦(悪し)→ヨシ(良し)
サル(去る)→エテ公(得て)
シネマ(死ね)→キネマ

するめ→あたりめ、くらいは知っていたのですが、「エテ公」は、「サル」が忌み言葉だったからできた呼び名で、「キネマ旬報」も、「シネ(死ね)」を避けるためだったとは……

ほんと、「日本人(というか僕)は、日本語を知らないなあ……」とあらためて、思い知らされる本です。
「日本語」あるいは「ことば」に興味がある人には、けっこう楽しめるのではないかと。

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