トピック「君の名は。」について

あらすじ
1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。
2016年14作目の映画館での観賞。
平日の16時からの回にもかかわらず、100人くらい観客がいて、人気のほどを思い知らされました。
毎月1日の「ファーストデイ」で、1100円だった影響も大きいのかもしれませんが。
物語の序盤、三葉と瀧(ちなみに僕は「瀧」というのは「名字」だと思い込んでいて「なぜ、この人は『立花』というネームプレートをつけているんだろう?」と、ずっと考えていました)の身体が入れ替わって、三葉(の身体に入り込んでいる状態の瀧)が「あれ?」と自分の胸を揉む、というシーンをみて、「あっ、これは大林宣彦監督の『転校生』だ!」と思ったんですよね。
『転校生』は1982年の映画なのですが、「男女が入れ替わる若者向け青春映画」っぽいふれこみだったのに、冒頭で身体が入れ替わったことに困惑した男子の側が「あれ?あれ?」と自分の胸を揉むシーンが、当時小学生だった僕にはかなり衝撃的でした。文部省推薦的な青春映画だと思ったら、いきなり生乳ですよ、「ほえっ?」とまさに目が点になったものです。いや、それ以外にはとくに、そういうシーンは無いんですけど、なんかその場面と階段から落ちるところだけよく覚えています。
この『君の名を。』の冒頭のシーン、『転校生』へのオマージュだと思うんだけどなあ。「ほえっ?」はありませんが。
この『君の名は。』ありがちな「男女入れ替わり」+「歴史改変もの」なのですが、僕はなんだかすごく惹き付けられてしまいました。
新海誠監督というのは、ドラマの「背景」とか「風景」の部分をものすごく丁寧に描いていて、普通のアニメーション作品では「つなぎ」の場面に、ものすごく注力していることが伝わってきます。
組紐のシーンのために、この映画をつくったんじゃないかと思えてくるくらいです。
東京で、駅から街に出たとき、誰かが大声をあげているわけでもないのに、大勢の人の会話が入り混じって、突然「ざわっ」となる感じ、僕も田舎者なので、あの空気はよくわかります。
そして、残酷なものを、ものすごく美しく描いているんですよね、新海誠監督は。
そういうものに対する、第三者の容赦なさ、みたいなものを、さりげなく、かつ執拗に描いているのです。
うーん、いろいろ書こうと思ったのですが、ネタバレ無しでは難しそうなので、以下ネタバレ感想にします。
未見の方は、ぜひ映画館でご覧になってください。
本当に、ネタバレですよ。
続きを読む



