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琥珀色の戯言

【読書感想】【映画感想】のブログです。2016年8月より、『はてなブログ』に移行しました。

落合監督とは、何だったのか?

一昨日、中日ドラゴンズセリーグ連覇が決まりました。
僕はカープファンなので、「ああそうか、やっぱり中日強いなあ。『三金満球団』以外のヤクルトはあんなにがんばったのに惜しかった」というくらいの感慨しかないのだけれども。

昨日の朝、AMラジオのスポーツニュースで、当然、中日の優勝の話題が出ました。
その中で、出演していたスポーツ新聞の記者が、こんな話をしていたのです。

 しかし、今回の優勝をいちばん喜べないのは、中日球団かもしれませんね。
 球団が、あの時期(ヤクルトとの首位攻防の直前)に「監督退任」を発表したのは、「優勝させたくないから」だと言われていますし。
 地元でよく耳にした噂なのですが、球団職員は「中日が負けると大喜びしていた」とか。しかも、それを落合監督も直接見たなんて話も伝わっています。

 球団側にも言い分はあるんですよね。
 落合監督は、ドラゴンズをこれだけの常勝球団にしましたが、その一方で、観客動員の減少や、監督のマスコミ対応について(とにかくマスコミの前に出たがらない人なので)、球団内部には不満が溜まっていたようです。
 勝ち続けることによる選手の年俸の高騰も、かなり負担になっていたみたいですし。

 アメリカでは、あくまでも監督というのは「フィールドマネージャー」であり、「現場でチームを率いて勝利に導くこと」が仕事。
 観客動員を増やすための工夫とか、ドラフト・トレード・外国人選手の獲得などは、フロントの仕事という分業をしている場合が多いんです。
 そもそも、観客動員の減少は、監督のせいなのかどうか?

 ただ、落合采配でいまでも納得いかないのは、日本シリーズで山井があと1回で完全試合達成、という9回に、リリーフエース岩瀬にスイッチしたこと。
 あれが「勝利の方程式」だったのだろうけれど、野球ファンとしては、史上初の「日本シリーズでの完全試合」を見てみたかった。


参考リンク:オレ竜、球団初の連覇!球団社長の敗戦ガッツポーズで一丸に(Yahooニュース/デイリースポーツ)


 うーむ、「優勝したのに、実質的には解任に近い退任。しかも、次期監督は、高齢で時代に逆行しているようにすら思われる、OBの高木守道さん。
ヤクルトの小川監督とか、ロッテの西村監督のような「地味監督」流行りとはいえ(高木守道さんは、選手としては、小川監督や西村監督は足元にもおよばない実績を残しておられるのですが)、中日のことにそんなに詳しくない僕には、ものすごく不可解な人事でした。


 ただ、中日に関しては、落合監督が正義、フロントが悪、とばかりも言い切れない面は、たしかにあります。
 中日というチームは、端からみていると、すごく「ドラフト上手」にみえるんですよね。
 投手陣、とくにリリーフ投手をドラフト中〜下位で指名するのが本当にうまい。そして、二軍では、良い投手をたくさん育ててきています。
 今年大活躍した浅尾投手は、2006年にドラフト3位で入団しましたが、「中日以外から指名されたら、社会人に行く」と宣言していたため、3位まで残っていた選手でした。
 その他にも、「中日に囲われていて、ドラフト下位で入団した有力選手」がいます。
 いまのプロ野球界で、「実質的な逆指名」をされるチームのといえば巨人なわけですが、これはやっぱり「腐っても巨人」で、わからなくもない。女子アナと結婚できそうだし。
 でも、「なぜ中日?」と考えると、やはりそこには、スカウトとかフロントの「努力」があるのだと思われます。
 FAで川上投手、福留外野手というチームの要が抜けても、中日が常勝球団であり続けられたのは、きちんと補強をしてくれるフロントの力が大きかったはず。
 福留が抜けたら、すぐ和田をFAで獲得なんて、主力が抜けっぱなしのカープファンにとっては、うらやましくてしょうがない。


いや、個人的には、開幕戦に数年感まともに投げていなかった川崎が先発してきたり、優勝がかかった試合でいきなりルーキー大野が先発だったり、「落合采配」って、けっこう謎采配だったりするわけです、僕にとっては。
なんか、「こっちは真剣にやっているのに、馬鹿にしてるのか?」って感じることもある。
その一方で、そういう「突拍子も無い選手起用」以外では、すごく丁寧にリリーフを起用し、打てない外国人選手も我慢し、手堅い采配をふるうのだよなあ。


もちろん、落合監督は、コーチやスカウト、その他の「現場」のスタッフには、けっこう気配りをしていると思うんですよ。
そして、「監督退任」というプレッシャーのなか、さらに加速して優勝を勝ち取った中日の選手たちは、本当にプロの集団です。
僕はこの年まで、たくさんのスポーツの試合をみてきましたが、こういう「勝てばドラマになる場面」で、多くの選手やチームが、プレッシャーに押しつぶされていきました。
今年の中日のように、「ドラマチックな勝利」を達成できるのは、「ドラマ予備軍」のごくごく一握りです。
「あと一歩のところ」までくると、よりいっそうプレッシャーって大きくなるものだし。


まあ、カープファンとしては、毎年「来年のカープは強くなる」と言い続けてくれた落合監督がいなくなるのは寂しいけれど、これで中日が弱くなってくれれば……とも考えてしまうのです。


落合監督とは、何だったのか?
急に語られる機会が増えたような気がしますが、これほど辞めることが話題になった監督は、楽天の野村監督以来でしょう。
そして、落合監督ほど、「語りにくい監督」も珍しい。


それにしても、勝ち続けるというのは、本当に大変なことですね。
「勝ち続けることによる不協和音」なんてのもあるのだから。