琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

だから「はてな」は嫌われる?

はてなが敬遠される3つの特徴〜つながりやすさの行き着く先(「忘却防止」11/10)
http://d.hatena.ne.jp/hatayasan/20061110/p1

↑の文章を読んで、なるほどなあ、と思うところがたくさんありました。だから「はてな」は嫌われるのか、と。
ちょっと古いですが、僕は以前、
はてなダイアリー」というコミュニティ
http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060228#p2
というのを書いたのですけど、この「琥珀色の戯言」アクセス解析などを見てみると、はてなアンテナキーワードリンク、ブックマークなど、とにかく「はてな内からのアクセス」が多いのです。ただ、これは「はてな村が閉鎖的だから」なのか、「はてな」どうしが繋がりやすいシステムになっているから」なのかと言われると、たぶん後者だと思うのです。もし「はてな」どうしが繋がりにくいようなシステムであれば、単に、読んでくれる人がその分だけマイナスになるだけではないのか、と。そういう意味では、これは「閉鎖性」と言うよりは、同じ「はてな」の中だけでも、より多くの人に読んでもらいやすくなっている、というプラスの考え方もできるんですよね。

初期の「はてなダイアリー」に参加していた人の多くは、当時の一般的なネットユーザーよりは、「ちょっとパソコンに詳しい」「ちょっとネット依存性が高い」人だったと思います。そもそも「はてな」は、プロバイダーサービスは行っていませんから、他のプロバイダー系のブログに比べれば、「うちはniftyだからココログ」とかいうような選ばれ方とすることはほとんどなかったはずなんですよね。だからまず「はてな」そのものに辿り着くというステップが必要であり、そこである程度、参加者に「偏り」ができたのでしょう。

そして、この傾向は今でも続いていて、あまりパソコンに詳しくない初心者が、「はてな」にたどり着きにくいのは確かです。「はてな」のポータルそのものが、他の大手ブログに比べればやや深層にありますし、「ブログを始めよう!」というような雑誌の記事での紹介順も、「はてな」はかなり後ろのほうであることがほとんどです。

ずっと書いていて思うのは、「はてな村」の村民の大部分はごく普通の人々だということなんですよね。でも、ごく一部の、ブックマークとかで『これはひどい』とかをつけまくっている「はてな元老院」の人たちが、「はてなの息苦しさ」を支えているような気がします。彼らは気に入らない記事の揚げ足をひたすらとりまくり、元老院議員どうしでブックマークしあって内輪でしかわからないようなホットエントリを濫発しています。そして、たぶん、ブックマーカーの多くは、自分が「1user」になろうという「アルファブックマーカー」ではなくて、すでにホットエントリになってしまったものの中から、自分が面白いと思ったものを拾っていこうという使い方をしているはずですから、「なんで『はてなブックマーク』では、こんな偏った記事ばっかり注目されているんだ!」と思ってしまうのです。まあ、慣れてしまえば、そういうコップの中の嵐もそれはそれで面白いところもあるんですけど、もし全く予備知識のない人が、「注目のエントリーhttp://b.hatena.ne.jp/entrylist?sort=hot)」をいきなり見せられたら、やっぱり、「偏り」を感じるところはあると思うのです。
ただ、おそらく「はてな」は世界制覇を目指しているわけではなくて、例えば、WINDOWSに対するMACのように、「市場のなかに、一定の自分たちの場所を確保する」ということを第一に考えているはずです。そう考えれば、「偏っていること」も、ひとつの「特長」ではあるわけで。

最後になりますが、この「忘却防止。」のエントリのコメント欄で、id:hatayasanが書かれていたこんな言葉が、僕にはとても印象的でした。

他のサービスが「見えないムラ」だとすれば、はてなは「見えるムラ」ではないかなあ、と。
見えないムラにはコミットするチャンスすらないけれど、見えるムラなら「作法」のようなものを身に着ければ迎え入れてくれる土壌はある。
その意味では、はてなは「開かれている」とも思えたのです。

たしかに、ある意味、「はてな」っていうのは、「見えるだけはるかにマシ」だし、「ものすごく実験的かつ野心的なコミュニティ」なのかもしれませんね。ブックマークコメントにしても、書いているのは「名無しさん」じゃないわけだから。
その一方で、これだけ「お互いに見られている」感じが強いところはあまりないような気がするし、けっこう自意識過剰な人間じゃないと、キツイところではあるのかもしれませんね。

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