琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

フォーン・ブース ☆☆☆☆

マンハッタン、タイムズスクエア。自称一流のパブリシスト、スチュは、今日もアシスタントを従え、携帯電話からクライアントや業界に口八丁でビジネスをまとめ上げている。そんな彼はアシスタントと別れた後、1台の電話ボックスに立ち寄り、結婚指輪を外してクライアントの新進女優パメラに電話を掛けた。スチュは彼女をモノにしようとしていたが、上手くいかずに受話器を置く。その刹那、今使っていた公衆電話のベルが鳴り、思わず受話器を取ってしまうスチュ。すると電話の主は、“電話を切ったら殺す”と脅迫してきたのだった…。(Yahoo!映画より)

「電話を切ると、殺される」というキャッチコピーが印象的なこの作品なのですが、↑のような舞台設定の妙と、まさに息もつかせぬ緊張した場面の連続で、非常に楽しめる作品でした。80分という時間はちょっと短いような気がしていたのですが、平日の夜に観るには、むしろこのくらいの時間のほうがありがたい。ちなみにこの作品、わずか10日間で撮影されたそうで、確かに低予算っぽいのですが、逆に舞台設定や演出がシンプルになっている分だけ、出演している俳優たちの演技が印象的なのです。とくに主人公・スチュを演じているコリン・ファレルの熱演には、画面から目が離せなくなってしまいますし、クライマックスの告白のシーンなどは、サスペンス映画なのに観ていて一瞬時間が止まってしまったようにジーンとしてしまいました。これを観たら、コリン・ファレルアレキサンダーをやらせてみようと思った人の気持ちもわかるなあ。あと、スチュをなんとか助けようと奮闘する警部役のフォレスト・ウィッテカーから溢れる「信頼感」も印象的でした。
 ストーリーにはなんとなく消化不良というか、なんでそうなるの?と感じたところもあったのですが、そんなことも二の次に思えてしまうくらいのパワーに溢れた作品です。そのうち、「電話ボックス」という舞台設定そのものが「昔はそんなものがあったよなあ」という懐古の対象にしかならなくなってしまいそうな気はしますけど。
 しかし、アメリカって、電話ボックスでの強盗とかがすごく多いんですね。確かにあれは「逃げ場のない空間」だから、携帯の普及には「護身」という側面もあるのかもしれません。

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