琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

ぼく、オタリーマン。 ☆☆☆☆

ぼく、オタリーマン。

ぼく、オタリーマン。

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↑には、著者からのコメントとサンプルページもあります。

僕の家の近くのTSUTAYAでも平積みになっていました。『となりの801ちゃん』と並んで、今いちばん話題になっているネット発書籍のようです。なんとなく「ネット発」の人を応援したいという気持ちもあって買ってみたのですけど、読みながら「あなたは僕ですかっ!」と何度も呟いてしまいました。いや、これって「オタクのSEの人の本」というよりは、「人に気を遣いすぎて、かえってどんなふうに他人と接していいかわからなくなってしまっている青年男子の現実」だよなあ。別に自分のオタク趣味を前面に押し出しているわけでもなく、日頃の話題にも気をつけているつもりなのに、なぜか周りから「マニアっぽいよね」なんて言われてしまう僕としては、本当に身につまされる一方で、こういう思いを抱えながら、普通に働いている人って、けっこうたくさんいるのかもしれないなあ、と、ちょっと励まされたりもしたんですよね。
あと、この本の巻末には、よしたにさんのコメントとして、「ボリュームには自信があります!」って書いてあるんですけど、ネット発の書籍って、なんとなく値段の割には薄かったり、ボリューム不足のものが多いような気がするのです。でも、この本に関しては、「この値段でこれだけの漫画が載っているならたいしたものだ」と素直に感じることができました。普通、こういう感じで「書籍化」される人って、なんとなく「余力を残しておく」ように見えることが多いのですけど、この『オタリーマン』は、「とりあえず、いま出せるものを出し尽くしてやる!第二弾とかは考えない!」という決意が感じられたし。「できれば、次巻で、それが無理なら、サイトでお会いしましょう」って書ける人って、あんまりいないんじゃないかなあ。それと、この本を出版した中経出版の人も、「流行りものだからさっさとまとめて出してしまえ」って言うのではなくて、丁寧にこの本を造ってきたのだな、ということが伝わってきます。ほんと、出版社側の愛情が伝わってくる「ネット発書籍」って、少ないんですよ本好きからみると。
僕の個人的な希望としては、もうちょっと女性を描いてほしいなあ、とかいうのはあったのですが(よしたにさんが描く女性の「素っ気なさ」が、僕はわりと好きです)、予想以上に楽しめる本でした。続巻にも期待してます。

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