琥珀色の戯言

3000冊以上の【書評】と500作以上の【映画感想】を、ちゃんと読んで、観て書いてきたブログです。話題になったあの本や映画の感想が、たぶんあります。新書、ノンフィクション、インターネット関連本が多め。

「ルーブル・アブダビ」誕生へ

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007030600975



http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.9B.BD.E5.86.85.E3.81.AB.E3.81.82.E3.82.8B.E5.A7.89.E5.A6.B9.E9.A4.A8
↑の名古屋ボストン美術館みたいにならなければいいが……とも思うのですが。

しかし、観にいく側からすれば、有名な美術品があちこちに散らばっていたり、収蔵されているはずの美術館に行った際に「貸し出し中」になっているほど悲しいことはないのです。そして、美術館だらけのイタリアであらためて感じたのは、「キラーコンテンツ」の重要性だったんですよね。
ルネサンス美術のコレクションで有名なフィレンツェのウフィッツィ美術館にまず行くとして、時間的にはあと1ヵ所くらいしか美術館には行けないという状況で、僕たちが自由時間に行ったのは、アカデミア美術館でした。なぜかというと、この美術館には、ミケランジェロの「ダヴィデ像」が収蔵されているからです。このアカデミア美術館、にわか美術ファンの僕にとっては、「ダヴィデ像」以外は、あまり興味を引かれる作品はなかったのですが、僕はとりあえず「ダヴィデ像」を見ることができただけで大満足でした。フィレンツェには他にも美術館(あるいは、美術品がたくさんある教会)がたくさんあったのですけど、やっぱり、そのなかでどこを選ぶかと言われたら、「ダヴィデ像」というキラーコンテンツを有するアカデミア美術館だったんですよね。
そういえば、ローマのヴァチカン美術館も、とにかくものすごく広くて収蔵品も多かったけど、人が集まっていたのはミケランジェロの「最後の審判」だけだったな……

 名古屋ボストン美術館も、Wikipediaの記述を見ると、ボストン美術館収蔵のミレーやルノワールの有名な作品も公開されていたりしてけっこう頑張っていたみたいなのですが、やっぱり、「誰もが知っている」というキラーコンテンツとなる作品がひとつあるかどうかというのは、非常に大きいようです。美術通の人たちはさておき、一般のお客さんを呼ぶには、全体としての「平均点の高さ」よりも、まず「看板となる有名作品」が必要なんですよね。福岡のミレー展はすごい人気だったのですが「落ち穂ひろい」「晩鐘」といった「教科書で見た作品」が公開されていたのが大きかったようです。

 まあ、いくらなんでも「モナリザ」とか「ミロのヴィーナス」が貸し出されるようなことはないだろうな、と思っていたのですけど、10年間、37億円で契約していた名古屋ボストン美術館のことを考えると、10年間、1500億円という途方もない金額が事実ならば、サモトラケのニケとかがアビダビに貸し出される可能性もありそうですね。しかし、キリスト教を題材とした宗教画とかは、イスラム世界での評価はどうなんでしょうか。考えてみれば、美術っていうのは西洋美術だけではないはずなんですけどねえ。

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