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あらすじ: 18世紀のパリ、悪臭のたちこめる魚市場で産み落とされたジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。驚異的な嗅覚を持つがゆえに、奇怪な青年として周囲に疎まれている彼は、ある晩、芳しい香りの少女に夢中になり、誤って殺してしまう。その後、彼は少女の香りを求めて調香師になり、香水作りに没頭するが……。(シネマトゥデイ)
この映画、僕のなかでは「ちょっと興味はあるけど、長め(2時間半近い)だし、観るほどじゃないなあ」という作品リストにずっと入っていたんですよね。
でも、ちょうど今読んでいる桜庭一樹さんの日記にこの映画の話が出てきたのです。
最近わたしは近所にできたシネコン<新宿バルト9>に、住んでるのかというぐらい入り浸っているので、いちばんおもしろかった映画『パフューム』の話をした。「あ、それってもしかして、ラスト近くの何百人もの○○シーン(自粛)が話題になってるやつですか」「いや、そのシーンもびっくりですけど、ラストシーンがさらにびっくりです。だって、みんなで主人公を○○ちゃった(自粛)んですよ! そんなこと予想します? 大人になって、だいぶすれてきたなぁ、もう生半可な展開では驚かないや、とか思ってたんだけど、久々に”全力で遁走する映画に置いていかれた”体験でした。見てください、怪作ですから」と力説する。
桜庭さんがここまで力説しておられるのなら、その○○シーンを観ないわけにはいかないなあ、と。
それで、ちょうどいま観終わったところなのですが、実は、3分の2くらいまでは、けっこう眠かったんですよね。
冒頭で処刑を宣告されるジャン=バティスト。彼が犯した罪とは……
というストーリーの映画なのですけど、最初の30分も観ていれば、主人公のジャン=バティストが犯した罪の内容は予想がついてしまって、「あと2時間近くあるらしいんだけど、わかりきった話をなぞっていくのを見せられるのは辛いなあ……」と思っていました。
そして、その予想は外れませんでした。途中までは、ね。
正直、この映画を「許せる」かどうかは、人によると思います。道義的に「あってはならない話」を美化して描いている、と感じる人も多いはず。
『スウィーニー・トッド』に耐えられるくらいの「グロテスク耐性」も必要です。
でも、確かに僕にとっても、「久々に”全力で遁走する映画に置いていかれた”体験」だったんですよね。
悲劇としてしんみりすればいいのか、「なんだこの法螺話は!」と苦笑してもいいのか、ちょっと自分でもわからない感情をもてあましてしまう映画。
それにしてもこのラストは凄いなあ、『項羽と劉邦』を思い出してしまった……
- 作者: 桜庭一樹
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