琥珀色の戯言

【読書感想】と【映画感想】のブログです。

バトルシップ ☆☆☆☆


バトルシップ [DVD]

バトルシップ [DVD]

【ストーリー】
ある日、ハワイ沖にアメリカや日本をはじめ各国の軍艦が集結し、大規模な合同軍事演習が行われようとしていた。血気盛んな米海軍の新人将校アレックスは、日本から参加した自衛艦艦長のナガタに激しいライバル心をむき出しにする。そんな中、演習海域に正体不明の巨大な物体が出現する。さっそくアレックスの乗る駆逐艦とナガタの自衛艦、それにアレックスの兄ストーンが艦長を務めるサンプソン号の3隻が偵察に向かう。ところがその正体は、地球に飛来したエイリアンの母船だった。やがて母船は巨大なバリアを築き、人類はそこに閉じ込められた3隻以外に反撃の手段を失ってしまうのだった。

序盤は、「アレックス、さすがにアホすぎるだろ、こんなヤツが大尉になれるのかアメリカ軍……」と苦笑しながら観ていました。
その後は、「なんじゃこれは……」というような展開の連続ではあるのですが、最後は見事な大団円というか、「なんて八方美人な映画なんだ……」とむしろ感心してしまいました。


退役軍人、傷病兵、日本の自衛隊、女性兵士などなど、「かゆいところに手がとどく」というか、「みんなで力を合わせてエイリアンやっつけます!」という「感動巨編」。
個人的には、太平洋戦争がはじまったハワイを舞台にした映画で、浅野忠信さん演じる海上自衛隊のナガタがけっこう好意的に扱われているのを観て、「なんのかんの言っても、日本って『かつてアメリカに立ち向かってきた国』として、尊重されている面もあるのかもしれないな」なんて考えてしまいました。
いやまあ、そんな美しい話じゃなくて、マーケティング上の問題で、日本人にも退役軍人にも好感度を上げておこう、っていうことなのかもしれませんけどね。


この映画、「エイリアンのバリアによってつくられた、狭い海域での海戦」が最大のみどころです。
とにかく強いんですよエイリアンが。
こういう映画にはありがちなのですが、最初の一機がやられると、あとは「えっ、そんなに弱かったっけ?」と拍子抜けするほど残りはあっさりやられていく」のも事実なんですが。


うーむ、でもこういうのを観たら、アメリカの元軍人さんたちは喜ぶのだろうなあ。
日本人である僕にとっては、「アメリカさんに丁重に扱われちゃった!」っていう、ちょっと誇らしい気分と、「アメリカって、やっぱり好戦的な国ではあるよなあ」という気持ちが半々、なんですけどね。


ところで、このDVDのAmazonでのレビューで、実際にこの映画の撮影に参加されたという、「DDH182 いせ」さんのレビューが「最も参考になった」としてピックアップされていました(このレビューでの撮影の裏話もすごく面白いです)。

映画の撮影が終盤に差し掛かった時に監督のピーター・バーグさんと少し話をする機会がありました。
今回の映画で先の大災害で元気をなくした人達にこの映画を見て少しでも元気を出してほしいこと、
これからも日本と米国は強い絆で結ばれた対等なパートナーであり積極的な娯楽、文化の交流をしたいとのこと、


そして一番心に残った言葉が
「60年以上前ここで悲しいことがあった双方で沢山の兵士が亡くなった。あの出来事は本当に
 悲しいと思うし残念だったと思う。でも一つだけ確かなことがあるそれは双方とも国のため故郷にいる
 家族のため名誉のために命を捧げたこれだけは揺るぎない事実だ、だからこそこの地を選んだんだ」

 作品としては、「能天気にガンガン弾を撃ちまくる、海戦スペクタクル」なんですよ。
 だからこそ、あの震災後に、ハリウッドが、「アメリカと日本が協力して困難に立ち向かう映画」を撮ったことは、なんだかとても感動的に思えるのです。
 ドキュメンタリーでも人間ドラマでもなく、「娯楽大作」だからこそ、なおさら。

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