琥珀色の戯言

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第31回日本アカデミー賞


第31回日本アカデミー賞の最優秀賞は以下の通り。

作品賞:『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
アニメーション作品賞:『鉄コン筋クリート
監督賞:松岡錠司 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
脚本賞松尾スズキ 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
主演男優賞吉岡秀隆 『ALWAYS 続・三丁目の夕日
主演女優賞:樹木希林 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
助演男優賞小林薫 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
助演女優賞もたいまさこ 『それでもボクはやってない
音楽賞:大島ミチル 『眉山 −びざん−』
撮影賞:蔦井孝洋 『眉山 −びざん−』
照明賞:疋田ヨシタケ 『眉山 −びざん−』
美術賞:部谷京子 『それでもボクはやってない
録音賞:鶴巻仁 『ALWAYS 続・三丁目の夕日
編集賞:菊池純一 『それでもボクはやってない
外国作品賞:『硫黄島からの手紙
新人俳優賞:
ウエンツ瑛士 『ゲゲゲの鬼太郎
林遣都 『バッテリー』
三浦春馬 『恋空』
新垣結衣 『恋空』
内田也哉子 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
夏帆 『天然コケッコー
北乃きい 『幸福な食卓
会長特別賞:
植木等(俳優)
熊井啓(監督)
協会特別賞
柴崎憲治(音響効果)
※新人俳優賞は最優秀なし

 僕は昨日の発表を観ていて、正直驚いてしまいました。
 なんでこんなに、『東京タワー』?
  映画『東京タワー』感想(琥珀色の戯言(2007/4/20))

 ↑に書いたように、僕は『東京タワー』が、けっしてダメな映画だとは思っていません。
 むしろ、あの「濃すぎる」原作を、よくあれだけうまくまとめて「あざとくない映画」に仕上げたなあ、と感心してしまったくらいです。
 でも、今年度に関しては、『東京タワー』が「日本アカデミー賞」、つまり、日本映画最高の賞であるという結論には、ちょっと納得しかねるんですよね。あれは、「まず原作ありき」の映画だし。
 他の映画賞では、『それでもボクはやってない』が軒並み作品賞を受賞しており、僕も今年度のナンバーワンはこの映画だと思っていたのですが……
 主演女優賞の樹木希林さんと新人俳優賞の内田也哉子さんは妥当だと感じましたし、脚本賞松尾スズキさんは、(周防監督のほうが緻密で隙がないような気もするけど)許容範囲内なのではないかな、と。それと、主演男優賞は、またこんな役かよ!と言いたくなった吉岡秀隆さんよりも、オダギリジョーさんのほうが良いのではないかと思っています。
 でも、「作品賞」「監督賞」ってどうよ?
 ついでに言っておくと、昨日の授賞式で、小林薫さんの「オトン」を「あったか〜いオトン」とアナウンサーが紹介していたのには笑ってしまいました。絶対あの映画観てないだろお前……

 というわけで、なんだかもう腑に落ちない感満載だったのですが、id:toroneiさんのところで、こんなエントリを発見。
 爆笑日本アカデミー賞 : ダイノジ大谷の「不良芸人日記」
 やはり、芸能界のなかでも「あれはちょっと……」と思っている人がいるみたいです。
 そういえば、僕がすごく引っかかったのは、最優秀主演女優賞のスピーチで、樹木希林さんが「この『日本アカデミー賞』が、これから素晴らしい賞になっていくように」って言っていたことです。名前からして、「日本映画界の最高峰」のような印象を受けるこの映画賞なのですが、少なくとも樹木希林さんは、この賞に対して「素晴らしい賞をもらえてうれしいです」とは言いませんでした(まあ、そういう人だから、と言われれば納得してしまいそうですけど)。
 しかも、番組中で、『東京タワー』に関しては、「日本テレビ製作」とは、全く触れられず、テロップにも出ませんした。『それでもボクはやってない』には、「フジテレビ」の名前が大きく出ていたのに。
 まあ、「偏っている」「政治的である」という点においては、本家のアカデミー賞も似たようなものなので、「アカデミー賞の名が泣く!」なんて言うのはどうかと思うのですが、ここまで露骨だと、やっぱりちょっと引いてしまいます。『東京タワー』が、けっして悪い映画ではないだけになおさら……

 それにしても、日本テレビはなぜ、こんなに『東京タワー』に肩入れしたんでしょうか?
 日本テレビが関わっているといえば、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』もなのですが、どうして日本テレビが「プッシュ」したのがこちらのほうではなくて、『東京タワー』だったのかというのが、すごく疑問ではあるのです。いくらなんでも、「こっちのほうは思ったほどヒットしなかったから、テレビ放映に向けて宣伝しておけ!」ってことはないですよね……正直、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』が作品賞だったら、『東京タワー』よりは違和感が少なかったような気がするんだけどなあ。
 周防監督、この経験をバネにして、次回作に映画賞を舞台にした『それでもボクは獲ってない』などいかがでしょうか? まあ、周防監督はそんなことにムダな時間は遣わないでしょうけど。

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