琥珀色の戯言

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”理想の古典”としての「世界樹の迷宮」

今月の1本:世界樹の迷宮(毎日新聞「まんたんウェブ」)

 素晴らしい『世界樹の迷宮』のレビュー。
 あの作品が、本当に「理想の古典」になっているかはさておき、ゲームのハード的な進歩により、「昔は技術的に難しかったこと」が、いとも簡単に実現できるようになっています。昔の「アドベンチャーゲーム」なんて、評価基準の大部分は「総画面数」と「描画速度」で、『デゼニランド』とか『惑星メフィウス』の時代には、移動するたびにいちいち画面で線が引かれて、色が塗られて絵ができるのを待っていたものなのに。画面の女の子がまばたきしたというだけで大騒ぎ。でも、現在ではフルアニメーション、フルボイスのアドベンチャーゲームも技術的に可能になっているのに、当時のゲームに僕が感じていた「面白さ」っていうのは今のゲームにはあまり感じられないんですよね。
 このレビューで特筆すべきことというのは、「理想の古典」としての『世界樹』が語られているだけではなくて、『世界樹』の隠し味として加えられている「新しい要素」にも言及していることだと思います。「それなら、『ウィザードリィ』を最新技術でリメイクしたらいいじゃないか」と思いがちだけれど、それじゃあやっぱり、面白くないんだよなあ。『ウィザードリィ』は、ディスクの読み込みの間の一瞬の間も含めての『ウィザードリィ』なわけで。

世界樹の迷宮(特典無し)

世界樹の迷宮(特典無し)

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