琥珀色の戯言

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この文庫がすごい! 2007年版 ☆☆☆☆

この文庫がすごい!〈2007年版〉

この文庫がすごい!〈2007年版〉

 正直、「文庫」というのはあまりに対象が広すぎて、ミステリとファンタジーと青春小説を横並びにしてランク付けするのにそんなに意味があるとも思えないのですが、とりあえず「面白そうな本がたくさん紹介されている」という点において、値段分くらいの価値はある本ではないかと。『本屋大賞』の結果発表本みたいに、よく知らない人のアンケート結果でページを埋め尽くしているのではなく、それなりに記事が書かれているのにも好感が持てます。

 でも、ランクインしている本の多くが、新刊書として既に話題になったものの文庫化だというのは、なんだかちょっと寂しくもありますね。そんなのわかってるよ!みたいな感じで。
 ただ、単行本として読み逃している本(僕の場合は『ワイルド・ソウル』とか)を再発見するにはけっこう良い機会ではありますよね、文庫化って。
 あと、今年度版は「『このミス』出張所」がけっこうお得です。やっぱりベスト20にランクされる本はみんな文庫化されているんだな、と、あらためて感心してみたり。だいたい、2年から3年というのが、単行本から文庫になるまでの期間だというのもわかりました。
 そんななか、まだ文庫化されていない1999年度の第1位『レディ・ジョーカー』。さすが高村薫さん……まだ書き直しておられるのでしょうか……
 森見登美彦さんのインタビューも、なかなか興味深かったです。妄想に溺れる者には、妄想文学は書けないんだなあ、と。

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