- 作者: 益田ミリ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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内容(「MARC」データベースより)
ときどき不安になる。このまま歳とっていくと、どうなるんだろうって-。夫なし男なし35歳。嫌いなことば「自分探し」。貯金、200万円。大逆転はなくても「あした」がある! 異色4コマ漫画。
35歳女性って、こういう感じなのかな……とか思いながら読みました。
「何の変哲もない日常を楽しんで生きていくことって素晴らしい」と思い込もうとする一方で、「日常に追われているうちに、あっという間に死んでしまうのではないか?」という恐怖にも駆られている小市民な僕にとっては、共感するところもあり、反発するところもあり……
ただ、なんとなく、この作品って、「男にはわかりにくいところをうまく掬い上げている」のだろうな、とは感じます。
それにしても、116ページから118ページの男の発言は酷いな……でも、こういう「現実」って、確実に存在するのだろうなあ……
そう感じたのは、僕がそんなに子供好きではないからかもしれないけど。
ちなみに、id:hibigenさんも採り上げられていた、この本のオビの
香山リカ氏 号泣。
まさか「ワーン」と泣くとは思わなかった。あー、びっくりした。
『恋空』を読んでも『ホームレス中学生』を読んでも泣かなかった私が泣いてしまった。しかも、号泣。
という言葉に、僕は失笑してしまいました。
いや、確信犯なのかもしれないけど、『恋空』や『ホームレス中学生』と比較してどうするんだ……
しかも、それらで「泣かなかった」のって、大人なら普通だろ。
そもそも、『恋空』で泣ける大人って、何か壮絶に勘違いしているだけなのでは……
この本を読んでいると、男としては、「30代半ばの女性」が抱えている心の荷物に、なんだか圧倒されてしまいます。
でも、本当にこんなに「セックスぅ〜」って考えている人っているのか? いるんだろうな……
女性が書かれた感想として、こちらのhibigenさんの感想をオススメしておきます。
「結婚していても将来がすごく不安」というのは、僕も同感です。いろんな「病気によって歪んでしまった家族」を見てきただけになおさら。もちろん、そういう中でも「家族の尊さ」を見せられる場合もあるのですが。
しかし、大きなトラブルが起こることへの不安だけじゃなくて、「このまま平和に年を取って、何もできずに死んでいくこと」も、それはそれで不安だったりするんだよなあ……
この作品、僕にとっては、ものすごく「感想を書きにくい本」でした。