琥珀色の戯言

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おっぱいバレー ☆☆☆


おっぱいバレー [DVD]

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≪INTRODUCTION/STORY≫
1979年、北九州。赴任早々、中学の弱小男子バレー部顧問になった新任女性教師、美香子は、やる気ゼロの部員たちに“試合に勝ったらおっぱいを見せる”というあり得ない約束をさせられてしまう。
そんな約束に戸惑う美香子をよそに、部員たちはおっぱいが見たい一心で練習に打ち込み、別人のように強くなっていく。ピンチを迎えた美香子先生の運命は・・・??

気軽に観られる「青春モノ」としては、まあ、及第点レベルの作品なのではないかと思います。
「まあ、まさか綾瀬はるかがおっぱい見せるなんてことはないだろうし」と半ば諦めつつ観はじめて、終わってみて、「ああ、ベタベタだけど、悪い映画じゃないよね」と。
綾瀬さんも生徒たちもよく頑張っているとはわかるのですが、その一方で、何かひとつ「物足りない」のも事実。
こういう「青春+部活モノ」には、矢口史靖監督の『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』という偉大な先輩がいるのですが、この2つの作品が、「男子シンクロ」「ジャズ」という「競技」そのものを見せ、出演者たちのライブの演技がクライマックスになっているのに比べて、この『おっぱいバレー』は、「なんかエロ妄想にとりつかれちゃうだけで、こんなに上手くなるなんておかしくないか?」とモノ申したくなる映画なんですよ。
もちろん、「おっぱいを見るという野望を実現するための猛練習シーン」みたいなのもあるのですが、「こんな練習じゃ、強豪校の補欠にだってかなわないのが当たり前じゃないの?」って言いたくなるようなヌルさだし、競技シーンも、「とりあえずストーリー上必要だから入れてますけど、まあ、みんな試合内容になんか興味ないですよね、美香子先生がいれば」という作り手の心の声が聞こえてくるような緊張感のなさ。
こういう「部活モノ」は、それなりに競技シーンに魅力・説得力がないと厳しいな、とあらためて感じました。
僕は綾瀬はるかさん大好きなんで、最後までそれなりに愉しめましたけど、こんな20年前に作られたような映画をいまさら見せられてもねえ……
これを観る時間があるなら、前掲の矢口史靖監督の2作品を観たほうが……

とりあえず、綾瀬はるかファンなら、観ても損はしないと思います。
これはたぶん、今の子どもが見ても「バカじゃねえのコイツら」としか感じないだろうし、「昔を懐かしみたい中年男性」くらいしか、ツボにはまらない映画だよなあ。
しかし、『僕の彼女はサイボーグ』『ICHI』、そしてこの『おっぱいバレー』と、綾瀬さんが主役として頑張っている作品ほど、モチーフや脚本に恵まれないのは、なぜなんでしょうね……

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